「すぽると!on TVer」阪神広島巨人の映像使えず。

3月28日から配信がスタートした「すぽると!on TVer」。初回からすごい発言が飛び出しました。残念ながらアーカイブは24時間で消えてしまうようなので、ここに書き起こします。


パ・リーグ全球団とセ・リーグ3球団の監督会見をお伝えしましたが、実は「すぽると!on TVer」、配信初のスポーツニュースということでまだまだ成長段階です。配信における映像権利の関係などで、阪神・広島・巨人の3球団のホームゲームは、あすからの試合も映像でお伝えすることが、カズさん(※)、できないんですよね。
まだ我々もあきらめませんので、皆さんよろしくお願いします。3球団の方々に映像使用をいずれ認めて頂けるよう、球団はもちろん、視聴者の皆さまに信頼される番組を作っていきます。

※出演者の石井一久さんのこと。


個人的には初回でいきなりぶっちゃけたなぁ・・・と。態度としては潔いのですが、スタッフから笑い声が聞こえ、この発言をした大川アナもつられたのか半笑いになってしまったのはやや心配です。


今回の3球団については、いつものメンバーだよね、という感想ですね。

試合映像だけでなく、監督会見の映像も使えなかったとのことですが、監督会見の映像についても放映権の一部に含まれるということを解説しておきます。放映権の構成要素に「施設管理権」があります。つまり、スタジアムや練習施設に入って撮影することは球団の許可が必要です。


映像には、球団側が制作して各社に提供する「公式映像」と、各社が独自に撮影する「ユニラテラル映像」があります。試合の映像は前者、監督会見の映像は後者に該当するものが多いと考えられますが、後者のユニラテラル映像もその放送・配信については球団が定めたルールによって制限を加えられる対象なわけです。

現在もCSで放送が続く「プロ野球ニュース」の歴史を記録した本『オレたちのプロ野球ニュース: 野球報道に革命を起こした者たち』によると、放送開始から1か月ほど経過した1976年5月、巨人・日本ハム・ロッテの3球団から映像使用料を支払ってほしいとの申し入れがあったとのこと。


当時「放送時間が3分を超える場合」と「ニュース以外の番組で放送する場合」は映像利用料を支払うという取り決めになっていたそうですが、「プロ野球ニュース」はその日の全試合をじっくり見せるというコンセプトから3分を超える試合映像を放送していました。つまり、この2つの条件は「AND」なのか「OR」なのか、そしてプロ野球ニュースはニュース番組と言えるのかが争点でした。


この3球団は当時後楽園球場を本拠地としており、後楽園では前年に人工芝を導入していたことから、その費用を回収するためでは・・・といううがった見方もあったようです。実際のところ、これを仕掛けたのはあの球団ではないかという気もしますが。

結果として、他球団からの反対もあり、プロ野球ニュースはニュース番組であることを認めることで決着しました。そして、現在でもJリーグなどの映像利用規程で似たような記述が見られることから、この取り決めは50年近く経った現在でもまだ影響力を持っていると言えます。


こんな先人の努力を踏まえる形で、「すぽると!」もあえて初回から公表に踏み切ったのでしょうか。筆者としては認める方向で進んでほしいと考えていますし、それを後押しするのはやはり視聴者の声だと思います。

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