DAZN人事。前TikTok社長を獲得か。

年が明け、DAZN周辺の人事が活発になっているようです。まずは正式なプレスリリースから。
オンラインカジノやスポーツベッティング事業を手がけるイギリスのEntain社でCEOを務めていたShay Segev氏が辞職し、DAZNの共同CEOに就任するというものです。

DAZNの前身であるPerform Groupにはスポーツベッティング業者向けの部門がありましたが、現在は切り離されています。ここに来ての招聘はB2Bではなく、B2C事業としてのベッティングへの進出に含みを持つこととなりそうです。

Entain社はカジノ大手のMGM Resortsから110億ドルという巨額の買収提案を受けているとのことで、当初はこの提案を拒否する姿勢をとっていましたが、この辞任劇によって容認に転じるのでは?という見方も出てきているとのこと。世界的に観光業が危機に陥っている中で、オンラインに強い業者をめぐる再編が起ころうとしています。
次の話題は昨年までESPNで番組の司会を務めていたDan Le Batard氏。DAZNの代表である(ESPN出身の)John Skipper氏と組んで新たなコンテンツ制作に乗り出すのではとされています。

あのESPNでもコロナ禍の影響は受けており、昨年は従業員の削減を行っています。その中にBatard氏が懇意にしていたディレクターが含まれていたことがきっかけで関係が悪化し、昨年末を持って契約が打ち切られたとのこと。ESPN側から見れば、高額のギャラを削減できたとも言えそうです。

ということで、DAZNにもスポーツニュース的なコンテンツが今後強化されるかもしれません。おそらくグローバル展開中のボクシングに向けられるものと思われますが。
そして同じ記事にもうひとつ書かれているのが、ディズニーでESPN+やDisney+といったストリーミング事業を立ち上げた実績を持つKevin Mayer氏のDAZN参画です。こちらもSkipper氏のESPN人脈ということになります。

昨年5月にTikTokに転じていたMayer氏ですが、トランプ大統領によってアメリカにおけるTikTokのサービスに圧力がかけられたのはご存知の通り。Mayer氏はわずか100日余りで去ることとなってしまいました。
ということで、ここにあげられた3名はそれぞれ去り際をうまくDAZNに拾い上げられた形となります。

これによってDAZNは、今年もまだまだ戦えるとファイティングポーズをとったと言えるでしょうが、実際の効果が現れるのはまだ先のこと。果たしてどんな立て直し策を繰り出してくることになるのでしょうか。

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