Triller、タイソン戦に続き「本物の」ボクシング配信へ。

「アメリカ版TikTok」の異名をとるSNSアプリ・Trillerは昨年マイク・タイソンのエキシビションマッチを開催して大きな反響を呼びました。

その後はYouTuberや総合格闘家などをマッチメークした、いわばイロモノ路線的な試合を手掛けたりもしていますが、この度ボクシングの世界タイトルマッチの興行権を獲得しています。

昨年、PFP最強クラスのロマチェンコ選手を破り、ライト級4団体統一王者となったテオフィモ・ロペス選手。彼の次戦がそのターゲットとなりました。
IBFの指名挑戦者であるジョージ・カンボソス選手との交渉は期限内にまとまらず、興行権が入札にかけられることとなりました。テオフィモ選手のプロモーターであるトップランクが提示したファイトマネーにテオフィモ選手が難色を示したことが理由とされます。

入札にはトップランクのほか、マッチルームとTrillerが参加。Trillerが600万ドル余りを提示して落札しました。この金額は二人のファイトマネーの合計であり、テオフィモ選手には65%(約390万ドル)、カンボソス選手には35%(約210万ドル)が支払われます。

トップランクにはマネージメント費用としてファイトマネーの20%(約78万ドル)を受け取る権利があるとのことですが、今後トップランクとテオフィモ選手の関係悪化は避けられないとされています。

Trillerはこの試合を他の試合とセットでPPVで配信することを計画しているようで、タイソンやYouTuberの試合があげられている模様。本物のボクシングの試合が、イロモノのエキシビションマッチの前座扱いになってしまう危惧もあります。
Triller側にしてみたら、トランプ政権時に行われたTikTokの締め出しが大きなビジネスチャンスになるはずでしたが、バイデン大統領に替わり、そのチャンスもどこかに飛んでしまった形に。ならば改めて大きな花火を打ち上げようといったところではないかと。
Trillerは株式上場をめざしている段階ですが、公表しているダウンロード数やユーザー数に信憑性がないことが指摘されており、もし上場が認められない事態に陥れば大きなダメージを負うことになりそうです。

スポーツという名のショービジネスには、これまで数多の胡散臭い連中が現れ、そして消えていきました。その轍をTrillerが踏まなければよいのですが…。時代の寵児となるか、時代に翻弄された徒花となるか。その差は紙一重なのかもしれません。

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