【五輪】ワールドセーリングの財政状態

こんな記事が話題になっておりました。セーリングの国際統括団体・ワールドセーリングがIOCに分配金について問い合わせたが返答がなかった…というものです。

IOCの収入面ばかりが注目される中で、珍しく支出面について取り上げた記事です。当ブログでは何度か触れていますが、IOCの収入の9割は大会組織委員会(OGOC)、各国オリンピック委員会(NOCs)、そして国際競技団体(IF)に分配されており、ワールドセーリングはIFに分類されます。
セーリングの話は以前にも取り上げたことがありますので、以下の記事でおさらいです。

ワールドセーリングはIOCから約20億円の分配金を得ており、収入の40~45%を占めています。そのため東京五輪の延期が決まったことで財政難となり、昨年はIOCから3億円の借り入れを行ったこと。また、会長の交代劇に発展したことが記されています。
IOCからIFへの分配金ですが、各競技をA~Eの5段階にランク付けして金額が決まっています。セーリングはDランクで、リオ五輪の実績では1,630万ドルとなっています。

先の記事の20億円という数字はちょっと大きいようですが、おおむね合っているといったところです。
東京五輪の延期にともない、IOCは本部を置くスイス政府と協力して総額1.5億ドルの融資枠を設定。夏季五輪に参加する32のIFのうち2/3が融資を受けたとされています。

分配金の依存度は競技によってさまざまですが、いわゆるマイナー競技ほど高い傾向にあります。セーリングはその使途にも問題があったと指摘されていますが、1年延期だけでも大きな打撃を受けており、中止となれば破綻しかねない状況と言えそうです。
セーリングだけでなく、そういう競技は他にもあるわけです。そういう背景もあり、IFからは中止を求める意見は特段あがっていません。

マイナー競技は不要なのか。財政基盤が脆弱な団体は破綻して然りなのか。その陰には多くのアスリートやコーチなどの生活がかかっています。単純な話ではありません。

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