【たぶん】バッハ会長は1泊300万円のホテルに滞在?【デマだけど】

来日したIOC・バッハ会長について、1泊300万円のスイートルームに宿泊しているのでは?という情報が出回っているようで検証してみました。

出所としては5/22付の「NEWSポストセブン」が報じた記事のようで、IOCなどの関係者が滞在するために、東京都が都内の4つのホテルを貸し切ったことが報じられています。

その中のひとつであるホテルオークラに1泊300万円とされるスイートルームがあること、またIOC側の負担は1泊400ドルまでで、それを超えた分は組織委員会が負担することも記されています。

つまり、もしバッハ会長がその部屋に泊まれば、相当な金額を負担することになるという例え話をしているわけで、実際にその部屋に泊まる予定かどうかは分からないわけですね。
その後、情報はアップデートされています。6/11付で朝日新聞が掲載した記事によると、IOC側が譲歩し宿泊費は全額負担することになったとのこと。また、組織委員会側はそもそも300万円の部屋に宿泊する予定はないと否定しています。

IOC側の負担になったわけですから、もはや部屋の値段は大きな争点とはなりません。インバウンド需要が消えた中では、むしろ高い部屋に泊まってくれたほうがありがたいとも言えます。

その後、日刊ゲンダイがアップデートに気づかずに記事を出したようですが、いまは削除されています。IOCを批判さえできれば簡単に飛び付く、そんなメディアもまた「金の亡者」なのではと思いますが…
ただ、物事はそう単純ではなかったりします。以前に書いた記事でも紹介しましたが、リオ五輪においてIOCは組織委員会に対して総額15.3億ドルの貢献(contribution)を行っているのですが、その中身が問われてきます。

東京五輪においては放映権料およびTOPと呼ばれるグローバル規模のスポンサーから総額13億ドルが組織委員会に提供される見込みとなっていますが、それだけだとリオの15.3億ドルにすら満たないわけです。
実はリオにおいて放映権料とスポンサー料の支援はあわせて約10億ドル。その他、国際映像の製作を行うOBS(オリンピック放送機構)の費用が3.2億ドルで、残りが大会開催に関する諸経費として処理されています。

どうやら、バッハ会長をはじめとする関係者の滞在費はこの部分に含まれるようです。そして、その詳細は公開されていません。各国のオリンピック委員会が東京大会に参加するための支援なども含まれているはずなので、単に遊んでるようなイメージを持たれるのはIOCにとってもどうなのかと。

昨年延期が決定してから、IOCもロイヤリティの一部を免除するなど一定の譲歩を示してきた経緯がありますが、開催時期をこれ以上ずらすことはできない以上、我々ももう少し交渉する余地はあるでしょうし、会計のさらなる透明化を求めていく必要はあるかと思います。

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