DAZNのグローバル戦略振り返りとその後。

昨日に続いてDAZNの話題ですが、グローバル戦略を展開するDAZNの動向は日本国内だけを見ていても理解はできません。昨日取り上げた電通とのタッグによるキャンペーンもその一環とみてよいでしょう。

DAZNの戦略についてわかりやすい記事が最近になって出てきましたので紹介します。

ひとつは金融サービスで知られるS&P Global Market Intelligenceによるレポートです。2016年にサービスが開始されてからの、各国における戦略が詳細に書かれています。
もうひとつは英BBCによる記事で、ラシュトンCEOへのインタビューとアナリストによる分析で構成されています。こちらはDAZNの未来を知るのに参考になるでしょう。BBCではインタビュー番組が放送されていたようで、見られるものなら見てみたい…
気になるのは、莫大な投資を続けるDAZNが今後企業として存続できるかでしょう。コロナ禍で受けた大きなダメージは回復に向かっているようですが、そのために費やした時間が重しとしてのしかかっています。

アナリストの見解では現状では難しく、ここ数年のうちに大きな買収があるとみているようです。これはDAZNが買収する可能性と買収される可能性の両方があります。

イギリスで注目されているのはBT Sportsの身売り話であり、もしDAZNが買収することになればプレミアやCLなども手に入れることになりますが、グローバル市場においてイギリスの規模はさほど大きくありません。

現在の契約数は1,500万件程度と推測されているようです。一昨年末は780万件でしたが、コロナ禍の影響をもろに受けた昨年末は750万件と減っています。一時は解約が殺到していたであろうことは想像に難くありません。

その後の増加のキーとなっているのは、グローバルサービスの開始とイタリアにおけるセリエAの獲得です。前者は価格が月1.99ポンド以下という設定のため、数はとれても売上はまだまだです。後者は価格を月29.99ユーロと大幅に値上げしました。もちろん投資も巨額なのですが…

グローバルではボクシングのプロモーターであるマッチルームと契約し、現在のメインコンテンツに据えています。サッカーでは女子CLの権利を獲得。最初の2年間はYouTubeでも無料で配信し、まずは競技の浸透をはかる戦略です。年800万ドルという金額は初めて聞きました。

また、今後関心があるスポーツとしては、総合格闘技・テニス・ゴルフの名前が上がっているとのこと。総合格闘技についてはベラトールとの契約がそろそろ更新時期にあたるので次なる戦略に注目されます。

話を日本に戻すと、コロナ禍によりCLを手放す羽目に陥った後は、Jリーグとの契約延長、「やべっちスタジアム」の開始、ACLやアジア予選の獲得、WEリーグの獲得…と日本サッカーにフォーカスした施策が目立っています。

まずは日本のサッカーファンを取りきり、必要不可欠なサービスに位置付けられることを幹とし、そこに枝葉をつけていくという感じでしょうか。もちろん野球も大きな存在ですが。

来年にはプレミアとF1が契約更新の対象になる予定です。これらを継続するかも今後の戦略に大きく関わってきます。
※本稿執筆後、イギリス・アイルランドでの月額料金が7.99ポンド/ユーロに値上げされることが発表されましたので追記して補足します。

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