英2部ダービー破産は氷山の一角か。

イングランド2部のダービー・カウンティが破産申請を行い、勝ち点12を剥奪されたとのこと。それとは別にFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)違反の嫌疑もかかっており、さらなる勝ち点剥奪の可能性もあるとのこと。

コロナ禍がなくても経営に苦しむクラブは多いのですが、ここに来てあぶり出されたといったところでしょうか。プレミアと下部リーグの格差が大きな要因となっているのは間違いないところです。
プレミアに昇格さえすれば放映権料の分配にあずかることができ、たとえ1年で降格したとしても移行措置を含めて莫大な金額となります。そのため、いささか無理な経営をするクラブが出てきます。ダービーについても無謀とも言える人件費が指摘されます。

もちろんビッグクラブもCL圏内か圏外かでは天国と地獄ですし、どこも必死なのですが、プレミアと2部の間がもっとも格差が出るところです。

昨年10月にPBP(Project Big Picture)なる改革案が突如持ち上がり、あっという間に潰されました。2部への分配金を増やす代わりにビッグクラブの発言力を高めるという、格差を狭めたいのか広げたいのかよくわからない提案でしたが、毒だとわかっていてもまんじゅうを食べざるを得ない程度には追い込まれています。
昨シーズンはコロナ禍で無観客となり、収入確保がますます厳しくなりました。2部の試合については、各クラブが自ら運営するサイトで配信するか、リーグ(EFL)が運営するiFollowというサイトで配信されました。

iFollowは2~4部のクラブで合計4,200万ポンドの売上を記録したとのことですが、それとは別に金融機関から1億1750万ポンドの融資を受けたとも報じられています。

今シーズンは観客が戻ってきていますが、とにかく当座をしのぐための資金が必要な状況でした。
放映権料の高騰もそろそろ限界がきそうです。先に取り上げたDAZNによるBT Sport買収の噂も、イギリス国内だけでは市場が飽和していることを示唆しています。

コロナ禍がなくてもやがては起こったであろう問題ですが、そろそろ真剣に格差是正に取り組む必要があるでしょうし、おそらく次なる破産予備軍は多数存在しているのでしょう。

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