英BBC、クラウンジュエルの見直しを提言。

サッカーW杯予選のアウェーの試合がDAZN独占になったことにともない、文化的に重要なスポーツイベントについて無料放送を義務付ける「ユニバーサル・アクセス」、そしてその指定対象である「クラウンジュエルリスト」が言及される機会が増えてきたように感じます。

それに関して、イギリスの公共放送であるBBCのスポーツディレクター(女性)がとあるカンファレンスで述べた言葉が記事になっていました。簡単に言うと、女性スポーツをもっと増やすべき、ネット配信も義務付けるべきという2点を主張しています。

内閣もこれに呼応し、今年イギリスで開催予定の女子EUROをリストに追加する検討を始めたとのことです。
ユニバーサル・アクセスについては過去の記事を改めて紹介します。クラウンジュエルリストは定期的に見直されており、2020年にはFIFA女子ワールドカップとパラリンピックがカテゴリーAに追加されました。

カテゴリーAは無料での生中継が義務付けられているもの、カテゴリーBは生中継は有料でもOKで、録画放送が義務付けられているものです。ちなみに日本で話題となっているW杯予選はイギリスだとカテゴリーBです。
無料放送の定義は95%以上の国民が視聴できるメディアとなっています。テレビ離れが進む中で、デジタルに関する条項を追加すべきという主張は的を射てるかと思います。ただし、最近はテレビとデジタルの権利を分離するケースが増えており、放送局側の負担は増す可能性があります。

無料放送を義務付けるということは、権利者から見れば確実に売れるということを意味します。日本のW杯予選を例にとるならば、明らかに権利者側は強気に高額の放映権料を吹っ掛けてきており、こういう交渉事を防ぐことができるのかは議論が必要でしょう。

ユニバーサル・アクセスの根拠となるのはスポーツ文化が持つ高い公共性です。それを喚起するのに先の東京五輪はよいきっかけになるはずでしたが、結果として公共性とはかけ離れたところでの政治的な議論に終始した感もあります。

今後はスポーツの無料放送は減っていかざるを得ない状況にあると言えます。もちろん観たいコンテンツにはお金を払う意識を高めることも大事なのですが、いまこそ改めて考え直していきたいところです。

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