【新年】2022年DAZNの展望(日本編)

コロナ禍がいつ終息するのかまだまだ分からない状況ではありますが、コロナ禍は世界のスポーツ界に大きな打撃を与えたとともに、成長によって生じた歪みを顕在化させるものでもありました。

2022年はダメージからどのように立ち直るか、そして歪みをどのように是正するかが問われる年になるのではと思います。

北京五輪やカタールW杯など巨大イベントもありますが、放映権的にはやはり今年もDAZNが話題の中心になるのかな…と。なので、新年はDAZNの今年の展望から始めます。
DAZNの今後はローカルとグローバルという2つの視点で語られることになるかと思います。きょうは日本国内のローカルな話です。

日本のDAZNの契約者はコロナ前の水準をほぼ回復したものと推測されますが、Jリーグ、そして昨年からAFCの放映権を抱えることになり、単年度での黒字転換はなかなか見えてきません。

そして2022年はJリーグに次ぐ大きなコンテンツの契約更新が続きます。具体的にはプレミアリーグ、F1、そしてプロ野球(パ・リーグ主催試合)です。

この3点が更新されるかされないか、またされたとしてもコストがどれだけ増えるかによって今後の経営方針が左右されると言えます。
プレミアは2019-20シーズンからの3年契約。次のサイクルについては、アメリカなど一部の国で6年契約となっており、日本もそうなる可能性があります。

コロナ禍で未来が見通せず、また放映権料バブルもピークに達した状況であり、長期契約で安定を得ようとする動きはプレミア以外にも見られる傾向です。

DAZNにとっては海外サッカーをどう取り扱うのか。コスト的に見合わず、また国内サッカーのファンとの重複があまり見られないとなると、さほど強気にはなれないかもしれません。

ただし、DAZNは母国イギリスでBT Sportの買収交渉を進めており、成立すればイギリスでの放映権を獲得することになります。あくまで日本とは別契約ですが、イギリスで製作したコンテンツを日本でも有効活用するといったことはできそうです。

イタリアではセリエA、スペインではラ・リーガの国内放映権を獲得していますので、この3つのリーグを押さえる戦略は考えられます。そうじゃないと「FOOTBALL FREAKS」が維持できなくなりますからね😅
F1も2022年で契約が切れます。現在の日本における放映権は2016年からFOX Sportsが保有しており、フジテレビとDAZNにライセンスする形となっています。FOX Sportsは昨年アジアから撤退しているため、契約を延長する可能性はまずあり得ません。

新たな契約においては、F1公式の配信サービスである「F1 TV Pro」との兼ね合いがまず注目されます。現在日本では提供されていませんが、おそらく2023年から提供されると考えてよいでしょう。

DAZNにとってはそれを承知したうえで契約することになります。差別化のためには日本語コメンタリーや関連番組の充実が必要です。昨年はそのための布石と言ってよいのか、結構頑張っていたようにも思えます。
ただ、現状ではまだ噂話にすぎないものの、NetflixがF1の運営そのものを買収する可能性がささやかれています。もしこれが実現したら、スポーツの放映権市場に大きな衝撃が走ることになりますね。
最後はプロ野球の話。パ・リーグ6球団の主催試合の権利はPLM社が一括で管理しており、DAZNなど数社に販売しているほか、自らのサービス「パ・リーグTV」での配信も行っています。

こちらは非独占契約になっていますので、逆に言えばお金さえ出せば引き続き購入できるでしょう。あとはコストとの兼ね合いです。現在の契約よりも値段は高くなるのではないかと考えられますし。

ここを確保できれば、あとはセ・リーグをどうするかという話になるわけです。ただ、12球団コンプリートへの道のりは長し。それまで各球団やテレビ局となるべく良好な関係を継続し、外堀を埋めていくしかないのでしょう。

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