【新年】2022年DAZNの展望(グローバル編)

昨日に引き続き、年頭の記事としてDAZNの2022年を考えます。本日はローカルとグローバルのうち、グローバルのほうです。

ローカルはドイツ・日本・イタリア・スペインの4か国にほぼ絞られた感があります。カナダはまだNFLなどの権利がありますが、アメリカ・ブラジルはフェードアウト中です。新規追加もBT Sport買収に成功した場合のイギリスを除いて考えにくい状況です。

昨年からDAZNはグローバル展開を進めており、ボクシング(マッチルーム)とサッカーの女子欧州CLでは独占契約を結びました。その他、非独占のコンテンツをいくつか追加しています。
とは言っても、まずはBT Sportの買収が成功するかによって今後の戦略は大きく変わります。昨年中にも成立するかと思われたのですが、ここに来て難航が伝えられており越年。他の候補としてディスカバリーの名前もあがってきています。

成功すればプレミアや欧州CLなどの(イギリス国内における)放映権を獲得することになります。その分負債も巨額になるのですが、今後さらにグローバルにビジネスを広げていくにあたって大きな看板になります。

先にあげたドイツ・日本・イタリア・スペインではいずれも自国リーグの放映権を獲得してきました。それが勝利のカギと考えているのでしょう。しかしそれだけ負担も重くなります。それぞれの国単体で黒字にするのは難しいかもしれません。それゆえに、グローバル規模で収益を追求していく必要があります。
放映権的にグローバルに展開できるスポーツは限られていますが、マッチルームとの契約ではまず合弁会社を設立してアメリカに進出。実績を積み重ねてグローバルに転換させました。

また、女子欧州CLについては女性スポーツの支援という大義を掲げています。女性スポーツの市場は今後拡大していくと思われますが、いまのところは先行投資の段階と言えます。

女子欧州CLではアディダスとのスポンサー契約が発表されています。最近日本のDAZNでも広告が増えたとの声を聞きますが、有料サービスであっても広告は必要です。今後グローバル企業からのスポンサー収入が増えれば財政面でも大きく寄与することになります。
しかし、OTTサービスだけでは収益に限界があり、新たなビジネスへの参入も急務です。その中でもやはりスポーツベッティングが注目ポイントとなるでしょう。

これまでもスポーツベッティング業者向けの映像やデータ販売は行っていますが、DAZN自らが胴元にはなっていません。日本参入時もカジノと関連付けた言説がたくさん見られましたが、現実はまだまだなのです。

DAZNがサービスを開始して5年半。コロナ禍で足踏みを強いられた時期もありますが、そろそろ巨額を投じて蒔いた種を回収すべき時期にあると言えます。ローカル、グローバル、そして新たな事業が融合したとき、果たして利益を生み出す体質となっているのか。今年は大きな転換点になりそうな気がします。

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