DAZN値上げ関連さらに続き。

既報の通り、DAZNが月額料金を3,000円(税込)に値上げすると発表しています。現在の1,925円から50%以上のアップで、相当思いきった決断と言えます。

いまだグローバルで赤字を垂れ流し、日本国内でも損益分岐点に達してないとみられる状況において、値上げは遅かれ早かれ不可避だったと考えられますが、やはりなぜこのタイミングで、この値段なのかは強く問われることになります。
3,000円という数字はやはりインパクトが強いですね。個人的に思い出したのがかつてのスポナビライブも3,000円(こちらは税別)に設定していたことです。

今季からセリエAの権利を獲得したイタリアでは29.99ユーロに値上げされています。日本円にすると4,000円超ですが、数字の「3」が心理的な壁となりそう。ならば2,990円にするというテクニックもあるのですが、逆効果とみたのでしょうか。

もちろん市場調査を行い、離反する顧客の割合を予測したうえで設定しているはずで、決して数字遊びではありません。
つい先日はNetflixがアメリカで値上げを表明しており、日本も近いうちに値上げするでしょう。みんな予算には限りがある以上、これは対岸の火事ではありません。スポーツに限らず、他のサブスクとも競合します。

サブスクにおいて収益を増やすには、基本的には会員を増やすか値上げするかのどちらかです。DAZNにしてみると、昨年からACLやW杯予選の配信を開始しましたが、これにより国内サッカーのファンはおおむね開拓したのではないかと。裏を返せば、これ以上の伸びしろには期待できなくなったとも言えます。

ACLは新規獲得にはつながらないコンテンツなだけに、これに手を出したことは路線変更を感じさせました。さらに代表戦を獲得したことでこれ以上打てる手はなくなりつつあります。

W杯本戦の放映権獲得も噂されるところですが、日本の出場権はまだ得られてませんし、予選敗退の可能性もあるわけですが、逆に言えば敗退が決まってから値上げしても手遅れになるわけです。

ただ、先日の記事でプレミアリーグの来季以降の入札が始まったことを書きました。内々ではもう決まっているのだと思いたいのですが…余計なお世話でしょうか。
もし6年契約を獲得することができれば、2028-29シーズンまでとなります。JリーグもAFCも、あとWEリーグも2028年までの契約ですから、お尻が揃う形となり、長期的な戦略を練ることもできるでしょう。

逆にプレミアを含め、海外サッカーそのものが重荷になっているとしたら、まったく逆方向に舵を切ってもおかしくないのです。今回の入札結果は分水嶺になるかもしれません。

サッカー以外のコンテンツについてはあまり語ることがありません。プロ野球にしろF1にしろ代替手段があるわけですから、出血は覚悟のうえでしょう。
値上げするなら、代わりに●●の権利を…といった声もよく聞かれます。現実としては、欧州CL/ELはWOWOWが今シーズンから3年契約。ブンデスリーガはスカパーが昨シーズンから5年契約なので、すぐに動くことはないでしょう。

天皇杯はNHKがスポーツの予算を絞っていること、またルヴァン杯は昨年配信トラブルが相次いだことを理由にあげることはできますが、こちらも移動の可能性は高くありません。

イギリスでBT Sportの買収を進めている話も、BT Sportの持つ権利はあくまでイギリス国内のものですから、日本に直接的な影響はありません。

と否定的なことを書き連ねてしまいましたが、その分まだ表に出てないサプライズに期待する向きもあります。単に苦しいから値上げするというのではなく、シナリオが求められるところです。

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