2016年のF1放映権騒動と2023年の展望。
DAZNがプレミアリーグの放映権を失うかもしれない、という話が日々現実味を増しています。
もともと権利を獲得した経緯はスポナビライブの撤退に絡むものでした。背伸びして高額で権利を獲得しても、経営が成り立たねば意味がありません。盛者必衰。奪った者はいつか奪われる宿命にあります。
今回は昔話。この混乱で筆者が思い出すのは、2016年にF1で起こったことです。といっても当時は筆者も放映権について知識も関心もありませんでしたので、後付けで得た情報です。当時は詳しく報道しているメディアも僅かでした。
発端となったのは、FOX Sportsが日本を含むアジア市場の放映権をまとめて獲得したことです。2016年からの7年契約でした。これにより、1987年以降29年間にわたってF1を放送してきたフジテレビが権利を失ったのです。
FOX Sportsは東南アジアで衛星放送を展開していたほか、日本でも複数のチャンネルを持っていました。FOXにしてみれば、日本の権利はアジアという括りの中のひとつであり、どこまで日本市場に本腰だったのかはいまとなっては分かりません。本国主導で日本支社はあまり関知していなかったのかも?
それでも、FOXのチャンネル内でF1を放送するべく準備は進めていたそうです。フジテレビに出演していた解説者などにも声がかかっていたとのこと。
結果的には放送枠の問題や技術面の問題などによりFOXは日本での放送を断念。サブライセンスの提供に切り替えることとなります。これによりフジテレビでの放送が継続されることになりましたが、どうやらデジタルの権利が分離されたようで、新たにDAZNも名を連ねることとなったのです。
お気づきの方もいらっしゃるかと思います。FOX Sportsの契約は今年(2022年)で切れるのです。そして、FOX Sportsは昨年アジアから撤退しているため、更新はまずあり得ません。
ですから、来年以降の権利はこれから販売されるわけで、フジテレビもDAZNも継続できる保証はまったくありません。当然ながら金額も上がる可能性が高いです。
また、F1が公式に運営する配信サービス「F1 TV Pro」との兼ね合いが注目されます。おそらく、F1 TV Proの日本進出を認めることが新たな契約条件になるでしょう。
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