DAZNに打開策は。UEFA関連放映権まとめ。

DAZNがプレミアの入札に敗れたことをスクープした、SportBusinessの記者によるツイートには他にも面白い記述がありました。日本における欧州CLの放映権料が前回よりも75%下落したというものです。
ご存知の通り、前回の3年サイクルで放映権を獲得していたのはDAZNでしたが、コロナ禍によるダメージを受け、1年を残して中途解約に追い込まれる事態となりました。

その後、決勝トーナメントからWOWOWが放送。残り半年のスポット契約でした。そして、現在のサイクルでは引き続きWOWOWが放映権を獲得しています。今シーズンから2023-24シーズンまでの3年契約です。

この入札にDAZNが参加したのか、もしくはできなかったのかは分かりませんが、競争相手がいなくなれば落札額は一気に引き下がることを示す事例と言えます。
さて、UEFA関連の放映権の入札については公式サイトにあるドキュメントから状況を知ることができます。欧州CLおよびELはWOWOWが保有していることも分かります。

現時点で日本における権利者が確定していないものとしては、以下のものがあげられます。

・EURO本大会(2024および2028)
・カンファレンスリーグ(2023-24まで)
・2022~28年のEURO予選、W杯予選、ネーションズリーグ

EURO本大会はWOWOWでの放送が続いています。この権利を獲得しても、サブスク的には2か月分の料金しか得ることができず、コスパ的には取り扱いが難しいところです。

カンファレンスリーグは本来ELとのセットで販売されているのですが、WOWOWがELのみ購入したため空きとなっています。

W杯予選やネーションズリーグは現在DAZNが配信していますが、この通り今シーズン限りで権利が切れます。これらはパッケージで販売されており、日本では買い手がつかない状態が続きました。

CL/ELを失ったDAZNが、その穴を埋めるためなのか、1年半を残した時点で権利を購入しています。もちろん放映権料はディスカウントされたはずです。
次回のサイクルは6年間となります。もし継続するのであれば、DAZNにとって相当な負担となることでしょう。もしプレミアの放映権を獲得できない事態に陥った場合、その予算をこちらに回す手も考えられます。

ただ、CL/ELもそうなんですが、平日の試合が中心となるため、やはりコスパが問題となりそうです。プレミアという軸を失うのであれば、欧州サッカー全体を縮小させるという経営判断もあり得ないとは言えません。

ユーザーが減っても、それ以上にコストが減れば利益は確保できます。その場合、2028年まで契約しているJリーグとAFCを軸として、今後6年間で累積赤字の解消をめざす戦略を策定することになるでしょう。

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