DAZNの実質オーナーとロシアの距離感

5月に開催が予定されているカネロ選手の試合について、対戦相手のビボル選手がロシア人であることから開催に批判的な声があがっています。

DAZNの親会社であるAccess Industriesの代表・Len Bravatnik氏がウクライナ出身であることから、直接介入を求める声もあるようです。ただ、Bravatnik氏はこれまで表立って発言することはあまりなく、いわゆる金は出すが口は出さないタイプのオーナーです。
最近注目のワードとなった「オリガルヒ」。スポーツ界ではアブラモビッチ氏の名前があげられますが、Blavatnik氏のことについても触れざるを得ないでしょう。

まず断っておくと、Blavatnik氏自身はロシア政府とは距離を置いており、オリガルヒと呼ばれることを非常に嫌っているとのこと。この言葉を使った記事に対して抗議したと思われる形跡も見つかります。憶測による変な風評は慎まねばなりません。
Access社が投資し、一昨年に株式上場を果たしたワーナー・ミュージックもロシアでの事業停止を発表しました。アメリカの主要音楽レーベルであるユニバーサル、ソニーとともに足並みを揃えたことになります。
旧ソ連のオデッサ、すなわち現在のウクライナで生まれたBravatnik氏はモスクワで学んだ後、家族でアメリカに移住しています。現在はアメリカとイギリスの市民権を保有しています。

ウクライナ出身で、またユダヤ系であることから、祖国を「ネオナチ」と称するロシアの姿勢をどう思っているのか。その心中を察するのは難しいです。

その一方で、ロシアの石油やアルミ会社を買収したことから現在の財を築いたことも記しておかねばなりません。Access社の投資先にはロシア企業もあればイスラエル企業もあり、複雑を極めます。
反プーチンを掲げる団体「Free Russia Forum」は、プーチン政権の協力者リストにBravatnik氏を並べています。

Free Russia Forumの設立者には元チェス世界王者のカスパロフ氏が名を連ねています。IBMのコンピュータ「ディープブルー」が彼を破ったことは世界的なニュースになりましたので、覚えている方も多いかと思います。

チェス引退後は政治の世界に身を投じましたが、プーチン政権からの迫害を逃れる形で現在はロシアを離れています。こんな形で彼の名前を見ることになるとは…
話を戻しますが、Bravatnik氏はアメリカやイギリスの制裁対象にはなっていませんし、その背景や行動からもロシア寄りとは感じません。ただし、あくまでも事態は流動的で、今後どうなるかは分かりません。

ただ、世界情勢とスポーツはビジネスの面においても、そして政治の面でも密接に関わっていること。そして、我々も決して無関係ではないことに想いを馳せて頂ければと思います。

もちろんロシアだけでありません。中国然り、サウジアラビア然り、監視すべきところはいろいろあるのです。コロナ禍も含め、2020年代は世界の大きな転換点となってしまいました。

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