ユニバーサルアクセスの本家、英の欧州予選放送は。

先日のワールドカップ予選、オーストラリアvs.日本戦がDAZN独占になったことで、改めてユニバーサル・アクセス権への関心が高まっているようです。

ユニバーサル・アクセス権とはスポーツを公共財としてとらえ、国民にとって大きな関心事である試合について無料放送を義務付けるというもので、主にヨーロッパやオーストラリアなどで制度化されています。
その本家であるイギリスの例を参照すると、無料での生中継が義務付けられるカテゴリーAと、ディレイやハイライトでもよいカテゴリーBに分かれており、ワールドカップ予選はカテゴリーBに指定されています。

ですから、日本に当てはめると今回の試合がDAZNでの生中継になったこと自体は大きな問題ではないのです。その点はまず押さえておく必要があります。
実際イギリスではどうだったかと言うと、イングランド代表の試合については民放局のITVが無料で生中継しています。

リストに載ってなくとも、コストパフォーマンスが見合えば放送の対象となります。日本で無料放送が叶わなかったのはひとえに放映権料の高騰によるものです。

イングランド以外の欧州予選の放映権は有料のSky Sportsが権利を持っています。ウェールズについてはウェールズ語放送局のS4Cが無料で生中継を行っていますが、スコットランドと北アイルランドについては無料ではありません。
イングランドはすでに本大会進出を決めており、スコットランドとウェールズはプレーオフを戦っています。同じ組に入ったため、両方とも本大会に行くことはありません。

ウェールズは先日の試合でオーストリアに勝利し、6月の決勝に進みました。スコットランドは相手がウクライナであるため試合延期となっています。
スコットランドがウクライナに勝利すれば、決勝はスコットランドの放送局・STVで無料放送されるという記事が出ています。相手がウェールズになったことでさらに拡大の動きが出るかもしれません。

また、ウクライナ戦についても無料中継を求める声が出ています。ウクライナ支援の意味もあり、今後具体化していくものと思われますが、試合が開催できる状態になんとかなってほしいものです。

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