【榮倉】Eclat Media Groupとはどんな会社なのか
【追記 4/18 10:00】
プレミアリーグの公式サイトにEclatの名前が追加されていたのでリンクします。JapanとSouth Koreaをご参照ください。
来季からプレミアリーグの放映権が移動することで、期待と不安の声が入り交じっています。当ブログの過去の記事を交えながら、現時点で分かっていること、分かっていないことについて少しずつ記していこうかと思います。
まずはEclat Media Groupとはどんな会社かについて。公式サイトによると読み方は「エイクラ」です。ハングルだと「에이클라」と書きます。
実のところ、DAZNが日本に上陸した時と同様に謎が多い存在です。DAZNには投資ファンドによる資金のバックボーンがありましたが、Eclatにはありません。上場会社ではないので財務状況もよくわかりません。
設立は2004年ですが、2006年には韓国プロ野球(KBO)のインターネット配信権を獲得。2008年にはテレビ放映権も獲得し、CATV等への販売を開始。2010年には自らのチャンネルである「SPOTV」を開設しています。
いまは韓国を代表するスポーツチャンネルですが、その原動力となったのがKBOの放映権。しかし、当時無名の会社が獲得できた理由についてはいまだ謎が多いのです。その後入札に移行していますが、現在に至るまで権利を維持し続けています。
2020年には国外向けの放映権も獲得。コロナ禍でMLBのシーズン開始が大幅に遅れたことを受け、米ESPNが穴埋め的にKBOを放送しました。しかし、これは1年限りで終わったようです。
最近もソウル警察が捜索に入ったというニュースが伝えられましたが、この件の続報はありません。このまま立件されずに終わるかもしれません。
SPOTVはしばらく韓国国内のチャンネルでしたが、昨年転機が訪れます。東南アジアでサービスを行っていたFOX Sportsが撤退を表明したことで、それと入れ替わる形で参入を決めたのです。
SPOTVのネット配信サービスである「SPOTV NOW」も、これにともない東南アジアに拡大することに。まずは4か国でローンチしました。
日本では子会社のLIVE SPORTS MEDIA(LSM)が「SPOZONE」を運営していましたが、これを機にサービス名をSPOTV NOWに統一しています。アプリやインフラなどシステム面も共通化しているものと思われます。
LSM社は日本で2016年に設立。Eclatの持つ放映権の代理店業務や、映像製作などを行っています。DAZNやABEMAにも番組を提供した実績があります。
プレミア中継の品質を心配する方もいるかと思いますが、そこは大丈夫ではないかと。ただし、今後試合数は増えますから外部にも協力を仰ぐことになるでしょう。
また、MLBの日本語情報サイトである「MLB.jp」の運営もLSM社です。
SPOZONEは2020年に開始。前年までDAZNが持っていたMLBのネット配信権が移動しており、MLBを独占配信するサービスとなるはずでしたが、こちらもコロナ禍によりKBOを穴埋め配信するなど立ち上がりに苦しみました。
2021年にはABEMAにMLBをサブライセンスし、今年も継続しています。プレミアについてもサブライセンスの可能性が囁かれているのはこうした事情にもよります。
この件も含め、SPOTVのビジネスの可能性については次回の記事で考えることにします。
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