元電通専務・五輪組織委理事の高橋氏に捜査のメス。

元電通専務で、先日まで東京オリパラ大会の組織委員会理事を務めていた高橋治之氏について、東京地検特捜部が捜査を進めているとのこと。五輪スポンサーの1社であるAOKIからコンサル料を受け取っていたことが収賄にあたるのでは、という嫌疑がかかっています。


捜査中の案件なので具体的な進展があればまたお伝えしますが、電通時代にはFIFAワールドカップや世界陸上のビジネスに絡んでいた高橋氏。スポーツビジネスにおいてはプロ中のプロなだけに、東京五輪でもその力が期待されていました。決してきれいな話ではありません。ある意味「汚れ役」だったのかもしれません。

東京五輪の招致においてはフランス当局も捜査に動いていました。世界陸連(IAAF、現在はWA)の元会長らが起訴されています。コンサルの名目で「実弾」が動くことは、スポーツの政治においては珍しいことではありません。むしろ日本が潔癖なのかもしれません。

高橋氏は、コロナ禍が広がり始め、東京五輪中止の観測が出てきた際にウォールストリート・ジャーナルのインタビューに答え「2年延期」論を唱えました。結果的に1年延期となったわけですが、これをスタンドプレーと捉えるのか、それとも中止という最悪の結果を防いだと言えるのか。評価は分かれるでしょう。

『電通とFIFA』という本に高橋氏が電通のキーマンとして登場します。スポーツビジネスの表も裏も知り尽くした男。綺麗事だけではやっていけません。しかし、その結果として晩節を汚すことになるとしたら、それは悲しいことです。

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