ニコ生、里見女流の編入試験で2年ぶりの公式対局中継。

8/18(木)から始まる将棋の里見香奈女流五冠の棋士編入試験。ABEMAと囲碁・将棋チャンネル(将棋プレミアム)、そしてニコニコ生放送で中継されることが決まりました。


2年前にドワンゴが叡王戦の主催者から降りて以来、ニコ生ではたまに将棋のバラエティ的なコンテンツを配信することはありましたが、公式対局の中継からは撤退していました。今回がひさびさの復活となります。

将棋における放映権の取り扱いについては定かではありませんが、それぞれの棋戦には主催者がおり、棋譜の使用などで権利が発生しているようです。今回の編入試験は日本将棋連盟が単独で主催するため、権利関係はシンプルなのでしょう。


里見女流のコメントでは「静かに見守ってほしい」とのことなので、筆者も静かに見守りたいと思います。これまで棋士相手にあげてきた成績からみれば、合格の可能性は高いように感じますが、五番勝負ですから簡単ではありません。初戦の相手である徳田四段は今年4月にデビューして以来11勝1敗(執筆時点)と快進撃を続けており、いきなり高い壁となります。


初の女性棋士誕生か?ということで話題になっていますが、ひとり壁を破ることができれば、次々と続く存在が現れることでしょう。男女で脳の機能に違いがあるのかは分かりませんが、今後女性棋士が増えていくためには、競技人口を増やすことと、育成環境の充実というふたつの観点が必要です。

LPSA(日本女子プロ将棋協会)の中倉代表のインタビュー記事が最近出ていましたのでこの機に紹介しておきます。LPSAはかつて日本将棋連盟から分裂してできた組織で、当時はいろいろ確執もありましたが、現在は代表も替わり融和が進んでいます。今後は将棋連盟がなかなか行き届かない女性向けの普及活動が期待されます。まぁ、一度作った組織をなくすのもそれはそれで結構面倒なことだったりします。


男性がほとんどを占める将棋界の中で、女性の競技人口を増やしていくにはどうすべきか。もちろん「観る将」と称される将棋を指さないファンも大事にしていく必要があります。実力の世界ですから、どうしても強い=偉いという風潮は抜けません。


最近はだいぶマイルドになり、プロ棋士から女性を下に見るような言動はまず見られなくなりましたが、アマチュアレベルだと時々見受けられるのは否めません。競技人口を増やすことと同時に、脱落者をなるべく出すことなく、才能のある人を引き上げる仕組みを構築していく必要があります。これは男女の問題に限ったことではありませんし、他のスポーツにも共通して言えることでしょう。学ぶべきことは多いです。

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