世界バレー男子、ParaviのPPV配信発表で波紋。

8/26に開幕するバレーボール世界選手権・男子ですが、日本戦の生中継がテレビで行われないことが判明し波紋を呼んでいます。


放映権を持つTBSは当日深夜のハイライト放送にとどまり、Paraviでライブ配信が行われます。ParaviはPPV方式をとりますが、その料金も1試合2,970円、3試合セットで7,500円となかなかの価格に設定されました。


ちなみに9月に開催される女子の試合は地上波で生中継される予定とのこと。先のネーションズリーグで5位の成績を残した男子ですが、この扱いには疑問を感じるところです。

なお、日本戦を含む全試合がFIVB(国際バレーボール連盟)の公式配信サービス「Volleyball TV」(以下VBTV)で配信されますので、日本語コメンタリーが不要であればこちらのほうが安価となります。

2018年にFIVBとIMGが結んだパートナーシップによって、2つの大きな動きがありました。ひとつはネーションズリーグの創設。もうひとつがVBTVの開始です。


ネーションズリーグはIMGがプロデュースし、従来の大会とは異なるショーアップを実施。VBTVを通じて世界に配信する大会となったわけですが、当時はまだFIVB主催の国際大会の放映権はIMGだけでなく、電通など複数の代理店によって販売されていました。


これらの代理店契約は2020年をもって終了し、放映権の管理体制も一新されることになります。

2021年にFIVBはCVCキャピタル・パートナーズから3億ドルの出資を受け、マーケティング会社「Volleyball World」を設立しました。VBTVもこの会社のサービスとして運営されており、デジタルの権利については基本的にこの会社が持つことになります。また、IMGは大会開催国を除くグローバルの代理店となりました。

かつてはワールドカップを半永久的に開催するなど、日本がバレーボールに占める地位はとても大きかったわけです。現在も主要国のひとつではあるものの、相対的にその地位は低くなっています。電通との契約も切れてますから、マーケティング面での影響力も低下していることになります。


なぜParaviの価格設定がああなったのかは分かりませんが、少なくともVBTVがある以上、ネット配信の権利を独占することはできなくなっています。非独占において付加価値を出すために必要なコストや、想定される契約者数を計算した結果なのだろうと思われます。


2018年に日本で開催された世界バレー・女子では多額の赤字が出たと報じられています。それから4年で情勢はますます厳しくなったというのが正直なところでしょう。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000