LIVvs.PGA、法廷闘争と札束での殴り合い続く。

LIVゴルフの話題はごちゃごちゃしすぎてすっかり追いきれなくなりました。PGAツアーは終盤戦となり、来シーズンが始まる前にはまた新たな動きがあるでしょう。サウジの人権問題についても、9.11を目前に控えて再度クローズアップされることになるかと思います。


これまでに選手の引き抜きや賞金で驚くほどのマネーをばらまいてきました。いくらサウジの資金力がバックとはいえ、この状態が何年も続くわけではありません。いつか回収の時期に入るはずです。


当ブログとしては、まずは放映権が売れるかどうかに注目したいところです。現在はYouTubeでの無料配信がメインとなっています。DAZNなどでも配信されていますが、これらの契約は非独占であり放映権料は発生していない状態です。

PGAの本丸であるアメリカで契約を獲得できるかが最大のカギとなります。PGAの放映権はCBS、NBC、ABC(ESPN)が保有しており、これらにも声をかけているようですが、さすがに難しいでしょう。


そうなると、4大ネットワークで唯一権利を持たないFOXの名前がクローズアップされてきます。LIVのCEOを務めるグレッグ・ノーマン氏はFOX Sportsでゴルフアナリストという肩書を持っていたこと、またFOXの創業者である「メディア王」ルパート・マードック氏とはともにオーストラリア出身であることから友好関係にあるのだとか。


LIV側は5億ドル程度の放映権料を希望しているとも伝えられており、それだけの理由でリスクの高い投資に踏み切るかというと、正直なところ疑問ですが…

放映権に限らず、PGA側がLIVの妨害をしているのではないか、それは独占禁止法に反するのではないかという疑問も呈されてきました。まず第1ラウンドとして、LIVに参戦する3選手がPGAツアーのプレーオフに出場するための仮処分を申し立てましたが、これは却下されています。


そして、第2ラウンドとしてフィル・ミケルソンら11選手が本格的にPGAを独占禁止法違反で提訴しているのですが、どうやら裁判所が多数の案件を抱えて立て込んでいるという理由から、2024年まで裁判が始まらないという状態になっています。これは結果的にPGA側に利することになりそうです。

LIVと選手が交わす契約書のドラフトが流出した…なんて記事も出ています。巨額のマネーを出す代わりに、選手側が背負う義務も当然あるわけです。ただ、インタビューを受ける際にLIVの許可が必要だとする項目には、人権問題が問われている組織としていかがなものか…と言わざるを得ませんが。


12チームによる団体戦の要素が取り入れられているLIVですが、今後はチームごとにスポンサーを付ける構想も伝えられています。48人の選手枠が埋まった先には、スポンサーを獲得できる選手が残り、そうでない選手がはじき出される未来が待っているでしょう。そして、はじき出された選手がPGAに戻ることはできないというわけです。

PGA側も来シーズンからの賞金額引き上げなどを発表して反撃に転じています。もっとも、この発表にもどこから資金が出るのか、LIVが出てくる前からできたのではないかといった批判も出ていたりします。健全な競争によって選手たちの待遇が改善されるならばすばらしい話ではあるのですが、果たしてこれは健全な競争なのか。まだまだ泥沼は続きます。

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