GOLFTV終了のWBD、NBA放映権更新に弱気。

先日、GOLFTVのサービス終了を発表したワーナーブラザース・ディスカバリー(以下WBD)。合併後のコスト削減に躍起になっており、先日はスポーツ部門の70人を削減したと報じられています。

WBDが持つスポーツの放映権としては、GOLFTVで提供していたPGAの権利(アメリカ国外)や、ユーロスポーツが保有するオリンピックの権利(ヨーロッパ)がありますが、今後注目されるのはターナースポーツ(TNT)が保有するNBAの権利(アメリカ国内)です。現在の契約は2024-25シーズンまでであり、次期契約についてはAppleなどの名前がすでにあがり、高騰は確実とされています。


そんな中、WBDのCEOが投資家が集まる会議において「我々はNBAの権利を持つ必要はない」(We don’t have to have the NBA)と発言したと報じられています。強がりにも聞こえるこの発言、今後に向けて不安を感じさせます。

さて、話をGOLFTVに戻すと、どうやらサービス終了はだいぶ前から計画されていたようです。その引き金になったのが、今年3月にサービス開始された「CNN+」がたった1か月で終了したという事件です。WBDの合併前に計画されたCNN+ですが、WBDの経営陣と方針が合わず、また加入者の初速が伸びなかったためあっという間に切られてしまいました。


WBDの方針は「複雑なサービスではなくオールインワンのサービスを提供する」ことだそう。旧ディスカバリーはこれまでもニッチなサービスを提供しては終了することを繰り返しており、旧ワーナー系のCNN+はその教訓の犠牲となりました。


旧ワーナーの持つHBO Maxと旧ディスカバリーの持つdiscovery+は来年には統合される予定になっていますが、この統合された新サービスに従来のニッチなサービスも吸収していくことが今後の戦略と考えられます。


さらにさかのぼると、今年からアメリカ国内ではESPN+がPGAツアーを配信するようになったことが影響を与えているようです。ESPN+のようにさまざまなスポーツをひとつのプラットフォームで配信するほうが理に適っていると考えたのでしょう。そう考えると、GOLFTVの終了計画はかなり前から検討されていたことがうかがえます。

GOLFTVとJLPGAの放映権契約は単年だったことが明かされていますが、こうして経緯をたどっていくと、もともと複数年契約は難しかったのだろうと想像します。どこかでGOLFTVが終了する可能性をJLPGAも聞いていたのでしょうか。


だとすれば、開幕ぎりぎりまで交渉が長引いたこと、独占契約にせずDAZNとも契約したことの謎がなんとなく見えてきますし、その後U-NEXTも参加したことの辻褄も合ってくる気がします。あくまでも気のせいですが…。


それはともかくとして、GOLFTVが配信しているPGA・米LGPA、そしてJLPGAの権利が今後どこに移動するのか、引き続き注目して見ていきたいと思います。

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