ABEMA、さらなるDAU更新でクロアチア戦は入場制限の可能性も。

ABEMAは、FIFAワールドカップの日本vs.スペイン戦が開催された12/2(金)において、1日の視聴者数(DAU=Daily Acyive User)が1,700万に達し、先のコスタリカ戦をさらに上回る新記録となったと発表しました。早朝4時キックオフではありますが、同時に行われたドイツvs.コスタリカ戦と並行して視聴した人も多かったのでは。


毎度繰り返しますが、この数字はあくまでも1日の視聴者数であり、同時接続数ではありません。スペイン戦の最中では2000万以上の数字が表示されたとの話ですが、これは再生回数のカウントであり、同じ人でも何度か出入りすればその度にカウントされる数字です。


1日ですから、他の番組の影響も当然受けます。この日は例えば将棋の竜王戦の生中継などもありました。なので、この数字だけでスペイン戦の視聴者数を割り出すことは困難ですし、テレビの視聴率と直接比較できるものではないことにご留意ください。


なお、フジテレビで放送された視聴率は午前5時までで16.9%だったと発表されていますが、日付の切り替わりの関係から午前5時以降は月曜朝の発表となります。


【追記】28.7%と発表されました。前半との合算では22.4%とのこと。

とは言え、尻上がりにDAUを高めていることはABEMAにとって追い風です。これまで大きな配信障害は報告されていないことも評価を高めています。しかし、決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦については、アクセスが殺到した場合に視聴制限をかける可能性があると発表されました。どうやら当初の想定を超える恐れが出てきたようです。


サッカー関係で最近起こった配信障害としては、ルヴァン杯(スカパー)やプレミア開幕節(SPOTV NOW)あたりが思い出されますが、これらはログイン・認証系まわりが原因と考えられます。しかし、ABEMAについてはログインなしでも視聴できるため、純粋に動画配信のトラフィック過多が懸念されているのでしょう。


ログインまわりの話であれば、試合直前ではなく事前に会員登録・ログインを済ませておくことが対策となるのですが、今回はそれが通じません。ニコニコ動画のように有料会員を優先させる…といった対策もあるかもしれませんが、それだと結局認証系に負荷をかけますので難しいのではないでしょうか。

クロアチア戦はフジテレビで放送されますが、懸念されるのがフジの系列局がない地域です。テレ朝が中継したコスタリカ戦で一部の地域での放送がなかったことは以前にも記事にしましたが、フジでも同様のことが起きます。ABEMAに視聴制限がかかると、試合を観る手段がなくなる人が出ることになります。インフラとしての公共性が問われてきます。

これだけの大量のトラフィックをさばいているのはCDN(Contents Delivery Network)であり、ABEMAのCDNを担当しているアカマイ・テクノロジーズに取材した記事を最後に紹介しておきます。


6月に「THE MATCH」を配信した時には最高で4.5Tbpsというトラフィックが記録されたそうですが、今回のワールドカップではさらに上回る数字が出ているとのこと。アカマイ側も不安を抱えながら万全の体制でクロアチア戦に臨むことでしょう。詳しいレポートについては大会終了後に改めて出てくるようです。

【追記 12/6】

一時的に制限がかかったとのことです。

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