DAZNは複数の競技を観てほしがってるらしい

DAZNのラシュトンCEOのインタビューをいろいろ読んでいるけど、内容がぶれていない。現実にはなかなかサービス内容が進化しない部分もあるけど、一貫性はある。

とくにサービスをローンチする対象として日本とドイツ(およびオーストリア・スイス)を選んだ理由としては、「市場調査の結果、複数のスポーツを楽しむ人が多いことが分かったから」だと言い続けている。

残念ながら放映権は更新されないことがある。更新できても金額が大幅につり上がることもある。同じ競技をずっと配信し続けられる保証なんてどこにもない。さらに、放映権は国によって異なっている。DAZNはカナダでもサービスを展開しているが、日本・ドイツ・カナダではそれぞれ観られる競技が異なっている。

なので複数の競技を観てもらうことはリスクヘッジになるし、たまたま観た競技のファンになることだってあるだろう。相互にファンを誘導できることもメリットだ。

また、忘れてはいけないのが時間の分散。ライブ中継はとにかくトラフィックが集中するのでインフラにかかるコスト増加から免れることはできない。でも、ライブではなくハイライトで視聴してくれる人が増えれば、ある程度分散することはできる。スポーツ観戦に費やせる時間には限りがある。よほどのファンでない限り、週に何十時間も視聴する人はいないだろう。

上記のインタビュー記事に載っていた、日本とドイツでよく視聴されている競技のランキング。2017年8月のものなので、いまはだいぶ事情が変わっているのだけど、両者を比較するとなかなか面白いものが見えてくる。

日本のトップ3はサッカー・野球・モータースポーツ。サッカーとモータースポーツ(主にF1)は鉄板だけど、当時まだMLBだけだった野球が2位に来ているのは根強い人気を意味する。ただ、今年はNPBの権利を棚ぼたで取得してしまったため、そちらに注力せざるを得ない。その煽りで、今年のMLBは日本語コメンタリーが消えてしまった。

ドイツでも当然ながらサッカーが1位。なんだけど、実はブンデスリーガは配信していないので他国のリーグを観ていることになる。モータースポーツが入っていないのもF1を配信していないから。ただ、日本では入ってないアメフトの人気が高いのは意外な感がある。あとドイツでも野球観てる人いるんですね。

話を日本に戻すと、4位のバレーボールはVリーグと5年契約。5位のテニスはパフォーム・グループがWTAとパートナーシップを組んでいるのでしばらくは安泰。大坂なおみ選手の登場でさらに追い風が吹いている。Bリーグを配信する前で6位になったバスケはすごい。8位の自転車も最初は酷評されていたけど、5月のジロ・デ・イタリアから少しずつ改善されて、今年はまさかの圧倒的ラインアップになった。まぁ、なんだかんだで結構観られてたのね。

ただ、残念ながら9位のアイスホッケーはNHLの放映権を喪失。7位のMMAについても、先日書いたとおりUFCの配信が縮小されてしまった。

さて、そもそもの話なんだけど、このランキングは何を基準にして作られているのかが示されていない。もし公表されていたのなら記事中で触れてほしかった。

ただの推測でしかないんだけど、視聴者数・のべ視聴回数・総視聴時間のどちらかだと思う。で、それをなんとなく示唆する記事が最近になって発表された。それは意外なことに、DAZN自らが出したエイプリルフール企画だった(^^;

このネタが面白いのかつまらないのか、またWWEのグッズが「パイプ椅子」なのは適切なのかは各自の判断に任せるとして、見るべき点は利用条件がコンテンツ1視聴(継続して3分以上)となっていること。つまり、ある程度の時間(3分とは限らないが)継続して視聴された場合をカウント対象にしていると考えるのが妥当と思われる。もっとも、回数なのか人数なのか視聴時間なのかまではわからないけど。

私はたくさんの競技を観させてもらっているので、時間がなければハイライトに頼るしかない。ハイライトを急ぎ編集し、アップしていることについては結構がんばっていると思う。

まぁ、みんな時間は限られているので、ライブで観るものとハイライトで済ますもののメリハリをつけましょう。というのが今回のいちおうの結論でしょうか。はい。

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