【ペレ氏追悼】改めて振り返る、電通とは何か。

ペレ氏の訃報が飛び込んできました。本来は年明けに予定していた記事を繰り上げて発行します。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

「週刊ポスト」誌が電通に関する記事を掲載していたので取り上げます。ポストの割には…と言っては失礼ですが、かなり正確かつ丁寧な記事だと思います。


前編はいわば歴史です。電通とサッカーとの関わりは、1977年に国立競技場で開催された「ペレ・サヨナラゲーム・イン・ジャパン」であり、当時タブーとされていた国立競技場にピッチ外の看板が出されました。そして、1979年に日本で開催されたワールドユース(現U-20ワールドカップ)を通じてFIFAとの関係が生まれます。この過程で台頭したのが、高橋治之被告というわけです。


1984年のロサンゼルス五輪はいわゆる「商業五輪」の先駆けと言われていますが、電通は日本企業のスポンサーを引き連れ、組織委員会に接近することで五輪ビジネスにも食い込んでいくようになります。

後編は電通の持つ「強み」についてです。正直、あまり気に入らないジャーナリストのコメントも入ってますけど、情報自体は正確だと思います。


国際的なスポーツイベントを手がけることで獲得した「仕切る力」と、メディアに対する支配力がその源泉です。前者は日本国内で追随できる存在はいませんし、後者についても日本最大の広告代理店であることを存分に活かしています。先の東京五輪をめぐる捜査においては、博報堂・ADK・東急エージェンシーといった他の代理店も芋づる式に捜査対象となりました。


まぁ、なんだかんだで泥臭い世界です。泥をかぶる覚悟がなければ大きな仕事はできません。ハードワークも厭わない体力も求められ、それがいわゆる「ブラック企業」批判につながっています。


結局のところ、競争相手がいないことが腐敗を生み出します。健全な競争を生み出すためには、外資も含む他の代理店に頑張って頂くしかありません。あとは、代理店をなるべく通さない正しい意味での「中抜き」が進むことでしょう。


※「中抜き」の本来の意味は中間業者を省くこと。最近は中間マージンを抜くという意味で使われがちですが…

これらの話は、『電通とFIFA』『オリンピックと商業主義』という2冊の新書にだいたい載っている話なので、筆者も受け売りです。ぜひ読んでみることをお勧めします。

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