どこよりも早い?2026 FIFAワールドカップ放映権展望。

来年どころか、4年後の話をするというのは鬼が笑うどころじゃありません。


もし報じられている通り、次回のワールドカップの放映権について電通が代理店から外れ、FIFAによる直接販売に切り替わった場合、どんなことが起こるでしょうか。


2014年までは電通が代理店となり、NHKと民放各局が組んだジャパンコンソーシアム(JC)とともに放映権を購入していました。2018年にはテレビ東京が抜け、そして2022年には日本テレビとTBSが抜け、JCの枠組みは崩壊しました。その代わりに参入してきたのがABEMAということになります。


2026年については入札になるでしょう。その場合、落札できるのは基本的に1社です。もしくは、無料と有料、テレビとデジタルといった形にパッケージを分割する形も考えられます。


ということで、いくつかのパターンを考えてみました。


テレビ朝日+ABEMA

どちらが主体になるか分かりませんが、片方が落札し、もう片方にサブライセンスするという形です。おそらくFIFAは日本戦や決勝戦などは無料放送を義務付けることになるかと思いますので、これらを含む一定数の試合が無料でテレビ中継されるでしょう。


これが成立するかどうかは、ひとえに今回巨額を投じたABEMAが4年後にどんなポジションを築いているかによります。単独で黒字を稼ぎ出す、サイバーエージェントグループ全体の稼ぎ頭になっていれば、もう「ウマ娘マネー」などに頼る必要はありません。


逆に成功しすぎて、もうユーザーの伸びしろが限られている…といった状況になった場合、今度は無料で配信することの意義が問われてきます。藤田社長は次も当然無料でと言っていますが、有料化に舵を切る判断も充分に考えられます。


テレビ朝日は1980年モスクワ五輪の放映権を独占した歴史がありますが、ABEMAを系列会社に含めるのであれば、実に46年ぶりの悲願達成になるかもしれません。


未知なるネット配信業者

4年後に、現在のABEMAのようなポジションにいる企業が、ABEMAと同様の効果を狙って参入してくるというシナリオです。


4年前にABEMAはすでに存在していましたが、現時点でまだユーザー数が少ないサービス、もしくはまだ存在すらしていないサービスが対象となりますので、正直なところ具体的な名前をあげることはできません。また、ABEMAのほうに赤字を長年垂れ流し続けても耐えられる企業体力が問われます。


ひとつ名前をあげておくと、最近サービスが始まった「DMM TV」あたりでしょうか。DMMはベルギーリーグのシント=トロイデンのオーナーとしても知られています。ベルギーリーグ自体はDAZN(が買収したEleven)が権利を持っているので配信は難しいとしても、今後スポーツのコンテンツに進出する可能性はあります。そして、ご存知の通り大きな収入源を別に持っていますよね(笑)。

外資系企業

現在、ストリーミングサービスは血で血を洗う競争を繰り広げており、とくに海外では巨額のマネーが飛び交っています。4年後には消えている業者もあるでしょう。


入札になった場合、海外企業も参加できるというのが大きなポイントです。今年のプレミアリーグの入札では韓国のEclat Media Groupが突如参入してきました。まぁ、DAZNも「黒船」と言われた外資系なんですが、奪った者はいつか奪われる運命にあります。


DAZNはそこまで体力はなさそうなので、Amazonとかの大物に期待したくなりますが、Amazonも「知名度を上げる」フェーズからはすでに脱していると思いますので、先ほどと同様に、日本市場における現在のABEMAのようなポジションに位置するところが候補となります。


ひとつ名前をあげるとU-NEXTでしょうか。U-NEXT自体は国内企業ですけど、今後外資が入ってくるんじゃないか…と勝手に予想しています。


電通以外の代理店

入札の参加資格がどうなるかにもよるんですが、代理店が参加できる可能性もあります。その場合、電通が再度何社かと連合を組んで参加する…というシナリオもなくはないのですが、それよりも気にすべきは海外の代理店でしょうね。国内の代理店では電通に太刀打ちすることは難しいでしょうから。


電通と同様に代理店を外されると言われているInfrontが入ってくると実に厄介な存在になります。タイで開幕3日前まで交渉がもつれたのは記憶に新しいところですが、ここはとにかくぎりぎりまで交渉することを避けない代理店です。



…といった感じで、ひさびさに妄想全開でお届けしました。NHKの名前が出てこないことに気づいた方もいるかもしれません、入札になれば、NHKが参入する芽はほとんどなくなるでしょう。放送があるとしても、サブライセンスで日本戦の1試合だけ生中継とか、あるいは録画放送のみになるとか、そんな感じになるのではと予想します。


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1コメント

  • 1000 / 1000

  • てんてこまい

    2022.12.23 03:11

    U-NEXTには期待しています。格闘技、ゴルフ、音楽ライブ配信で実績を積んでいますし、加入者数も右肩上がりなので、今後は男子サッカーを狙っていると思います。フランスやベルギーリーグなど。もしくはWOWOWが権利を持っているUEFAチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグなど。地域が異なりますが、コパ・アメリカなども魅力的ですね。その先にFIFAワールドカップがあれば、と期待してしまいます。