イタリア法改正でセリエAの放映権サイクルが5年に?
1/2付の記事で、セリエAの放映権サイクルが3年→5年になるかもしれない、という話を書きました。改めて、その話について詳しく触れることにします。
イタリアでは2008年に施行された「メランドリ法」という法律で、プロスポーツの放映権について契約期間を3年以内にすることが規定されていました。昨年、この法律が改正されたため、3年を超える期間の契約が可能になったのです。
メランドリというのは当時のスポーツ大臣(女性)の名前から来ているとのことですが、この法律の主旨としては、従来各クラブが保有していた放映権について、リーグとクラブが共同で保有し、リーグが一括管理することを認めたことにあります。その代わり、リーグにはクラブに対して収益を適切に分配することを義務付けています。
契約期間が3年以内というのは、おそらく特定の業者との癒着を防ぐといった意図があるのでしょう。しかし、法律が制定されてから10数年のあいだに、セリエAはプレミアを始めとする他のリーグに遅れをとっているのが現状であり、打開策が必要だったと言えます。
コロナ禍でセリエAも中断し、打ち切りの可能性も浮上しました。もし打ち切りになった場合、果たして誰が責任を取るのか。もちろんセリエAは放送局(SkyとDAZN)に対して補償する義務がありますし、政府の要請があったならば、政府もセリエAに対して補償することになったでしょう。
実際には打ち切りは避けられたのですが、こういった不測の事態に対してメランドリ法の不備が指摘されていたようで、これも改正の機運を高めることになりました。
昨年秋に報じられたところでは、セリエAは今後イタリア国内の放映権料を現在の1.5倍に、国外を3倍にする計画を立てているとのこと。しかし、その一方でバブル崩壊の予感も漂います。できれば早めに契約を決めておきたいし、期間も長いほうがいいというわけですね。
まずは、2026ワールドカップに向けてアメリカ市場が主要なターゲットとなります。もちろん、この流れは日本にも波及していくものとみられます。この目論見、果たしてうまくいくのでしょうか。そう簡単ではないと思うのですが…
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