今年気になる放映権。EURO、CL、セリエA、NBAなど。
2023年になりました。今年中に更新が予想される放映権について展望を語ります。
その前に、昨年から持ち越しとなった権利については以下をご参照ください。
EURO2024本大会 (前回はWOWOW)
予選についてはDAZNが2028年まで獲得済みですが、本戦についてはまだアナウンスがありません。従来通りWOWOWが有力だろうとは思うのですが、1か月程度の集中開催だと、結局のところ新規に契約した人もすぐに出ていってしまい、定着しないのが現実です。契約を続けたいと思わせる別の材料が必要になってきます。
そうなると、プレミアを獲得しているSPOTV NOWやABEMAの名前もあがってくることになるかと思います。ただ、SPOTV NOWは年間契約で多くのユーザーを囲い込んでいますので、追加コンテンツがあっても仕方ない気もします。
DAZNについては、この期間の契約解除を阻止するのにコスト的に見合うかが判断のカギとなりますが、Jリーグも継続中ですし、海外サッカー限定のファンをそこまで引き止める意味があるかというと…やや疑問ですね。
UEFAチャンピオンズリーグ/ヨーロッパリーグ 2024-25シーズン以降 (現在はWOWOW)
すでにヨーロッパでは次期の入札が進行しています。今年はヨーロッパ以外の国でも進んでいくことでしょう。
20-21シーズンでは、DAZNがコロナ禍で経営的に大きなダメージを受け、契約を1年残した段階で日本を含むアジア各国の権利を手放さざるを得なくなりました。なんか昔のことのように感じますね…。このシーズンはグループリーグの時点で権利者が決まらず、暫定的に「UEFA TV」での配信に。決勝トーナメントからWOWOWが権利を獲得しています。
21-22シーズンから新たに3年間のサイクルが始まりましたが、DAZNは道義的にも参加できなかったのでしょう。そのままWOWOWの継続となっていますが、発表時期はかなり遅めであり、競合がない分じっくりと交渉していたように思われます。
今回はDAZNも含め、複数社が名乗りをあげる展開が考えられます。ただ、CL/ELは平日開催ですから、どうしてもコスパはよろしくありません。どこが獲得したとしても、きちんと黒字を出すのは大変難しいことです。
セリエA 2024-25シーズン以降(現在はDAZN)
こちらもそろそろ入札が始まります。日本国内がどうなるかの前に、まずはイタリア国内がどうなるかですね。DAZNが引き続き維持できるのか。イタリアのDAZNは月額29.99ユーロと日本以上の高値ですが、それでも黒字にするのはなかなか難しい状況です。
リーグ側としては当然もっと価格をつり上げたいわけです。そのための方策として、次期サイクルは3年でなく5年になる可能性があります。この件は後ほど詳しくお伝えしようと考えてますが、イタリアでは放映権契約は3年間までという法律があったのです(メランドリ法)。しかし昨年法改正があり、現在は5年契約も可能となっています。
こうなった場合、イタリア国外でも同様のサイクルが適用されることになりそうです。放映権料バブルもそろそろ怪しくなってきました。その対策として、サイクルを伸ばすことで当面の価格下落を避けようとする動きが今後は目立ってくるものと思われます。
プロ野球 パ・リーグ (現在はDAZN・楽天・ソフトバンク)
NPBの放映権は各球団ごとの管理となっていますが、パ・リーグのインターネット向けの権利についてはPLM社が一括で管理しています。前回の契約は2018～22年の5年契約であり、DAZN・楽天・ソフトバンクの各社が契約していました。また、PLM社も自ら「パ・リーグTV」を運営しています。
非独占であり、希望すれば今年も引き続き延長できるものと思われますが、ソフトバンクは関連会社であるヤフー内のスポーツナビでの配信を終了することを発表しており、今シーズンの配信をどのような形で行うかは今後発表される予定です。もちろん、新たな業者が参入してくる可能性も充分にあるでしょう。
NBA 2025-26シーズン以降 (現在はディズニー・WBD)
海外で注目されるのはやはりこれでしょうね。現在はディズニー傘下のABCとESPN、そしてワーナーブラザーズ・ディスカバリー(WBD)傘下のTNTで放送されているのですが、WBDは更新にあまり前向きでないのでは？という報道あり。また、新たに参戦する候補としてAmazonの名前があげられています。
9年総額240億ドルとされる放映権料がどこまで上がるかも注目ポイント。バブルがそろそろ終わりそう…なんて書いても、新たな競争相手が出現するところはなんだかんだで下がらないんですよね。
日本においては楽天が昨年パートナーシップを更新しているため、しばらく変動はなさそうです。新たな契約期間は明らかになっておらず、複数年だということしか分かってないのですが、少なくとも来シーズンは継続されます。
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