復活版『たけし城』はやはりSASUKEなのか。

Amazonプライムで復活版『風雲!たけし城』が配信されています。筆者も視聴しました。ネタバレはなるべく避けますが、当時の放送(昭和版)をリアルタイムで視聴していた世代にとっては、どうしても違和感が出るのは仕方ないところです。


同じTBSによる製作とは言え、34年ぶりの復活ですから、当時からスタッフはほぼ入れ替わっているでしょう。Amazonでは昭和版もあわせて配信していますので、見比べてみるのもよいかと思います。

上の記事にもある通り、とにかく難易度がアップしています。素人が気軽に参加してクリアできるものではありません。たけし城の後、同じ緑山スタジオにセットが作られた『SASUKE』に寄せられていることは一目瞭然です。SASUKEの挑戦者も出演しており、ときどきアナウンサーの実況が入ったり、とくに意味のないタイム計測が表示されたりします。


この違和感をどう表現するか。『高校生クイズ』が、かつての「ウルトラクイズの高校生版」から「知の甲子園」にコンセプトを変えた時の感覚と似ている・・・と表現すれば、伝わる人には伝わるかも。すでにそういうコンセプトの番組はあるのだから、そっちでやればいいでしょ、という感じはあります。


『たけし城』も『SASUKE』も後に海外で放送され、人気を博しました。Amazonにとっても海外での展開を視野に入れていることは明白であり、だからこそ地上波では出せない予算を投下できるわけです。『SASUKE』は近代五種の競技のひとつとしてオリンピック採用を狙っており、TBSとしても大いにPRの材料としてくるでしょう。

もうひとつの違和感としては、音楽がすべて入れ替わっていることがあげられるでしょう。各コーナーで使われているBGMは映画音楽だったり、洋楽だったり、はたまたゲーム音楽も取り入れられており、これらは権利関係上難しいのはよく分かりますが、あの壮大なテーマ曲すらも消えているのはちょっと…という気もします。


ちなみに昭和版の配信では当時の音楽が残っています。これは、JASRACとの包括契約により利用できるわけですね。逆に言えば、この契約は日本国内に限定されているため、海外進出を前提としている新しい『たけし城』では、手続きが面倒にならないようにあらかじめ差し替えておくことになります。


『たけし城』は、回数を重ねるごとにトップアスリートに特化されていった『SASUKE』の流れをやや一般向けに修正したものと位置付けてよいでしょう。たけし城に出演したSASUKEオールスターズの皆さんは、かつて「高校生クイズ」で優勝し、後に「QuizKnock」を立ち上げた伊沢拓司さんのように、トップアスリートと一般人の間を埋め、競技の魅力を伝える存在を期待されている…といった感じですかね。

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