J3・ガイナーレ鳥取、CATVで初の試合中継。

1993年5月15日にJリーグの開幕戦、ヴェルディ川崎vs.横浜マリノス戦が開催されたことから、5月15日は「Jリーグの日」となっています。本日30周年を迎えたことに厚く敬意を表します。


ということで30周年を記念するスペシャルマッチやイベントが続々と行われているのですが、鳥取県のCATV局である中海テレビが、5月14日に開催されたガイナーレ鳥取vs.アスルクラロ沼津戦を生中継したことは、地味かもしれませんが歴史的な出来事と言えます。というのも、DAZNがJリーグの放映権を獲得して以来、CATV局が試合の生中継を行ったのはおそらく初めての事例だからです。

先日、JリーグとDAZNの放映権契約の見直しが発表され、2024年からJ3が対象から外れることになりました。今年はDAZNで全試合が中継されますが、来年からどこで中継されるかは白紙となっています。

従来の契約では、DAZNが獲得した権利は「日本国内におけるインターネット・モバイル配信、IPTVサービス、有料サテライト放送、CATVなど」となっていました。この文言を素直に解釈すると、無料の地上波ならびにサテライト放送(衛星放送)は含まれておらず、現在NHKやローカル局で放送されていることの根拠となっています。


その一方で、CATVが範囲に含まれていることで、これまでCATVが試合を中継したくても大きな壁が立ちはだかっていたと言えます。DAZNがサブライセンスを出した事例としては、ABEMAで町田のホームゲームが配信されたことがありましたが、CATVの乏しい資金力で同様にサブライセンスを獲得するというのは困難だったでしょう。

今回、中海テレビでの中継が実現したことは、その意味で大きな一歩となります。中海テレビはガイナーレ鳥取をJFL時代からサポートしており、2018年からはユニフォームスポンサーを務めています。ホームゲームの中継は念願だったことでしょう。


契約面だけでなく、地方局での放送ではコストが大きな問題になります。自社で映像製作を受託しているならば、受け取った製作費で相殺できるのでしょうが、鳥取の映像を製作しているのは日本海テレビとされており、中海テレビではありません。ですから、放映権料においても大幅な譲歩があったのではないかと推測されます。

Jリーグ側では、来年以降のJ3の中継について「無料放映も含めて最適な放映形式を検討する」としており、ローカル地上波での中継や、Jリーグ公式YouTubeでの配信の可能性について触れていますが、CATVの話はほとんどしていないのです。忘れているわけではないでしょうから、何かしらの事情がありそうですが、それにしても不気味です。


しかし、その裏でCATVでも中継できるよう調整が進められていたことも、今回の中継が実現したことで明らかになりました。この動きが他のJ3クラブにも広がっていくことが期待されます。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000