【根拠薄】NumberもFIFA要求116億円説を報じる。

本日、Number Webが掲載した記事がヤフーのトップになりました。「女子W杯放映権 当初は116億円か」というものです。

この116億円という数字は、7月5日にFRIDAYデジタルが掲載した記事が発端になっているものと思われます。昨年のカタール大会における日本の放映権料が350億円で、その1/3にあたる116億円をFIFAが当初提示した--という内容になっています。


この記事で押さえておくべきポイントは以下の2点です。

  • 116億円という金額は過大評価と考えられる
  • そもそもこの金額は「当初の提示額」であり、実際にNHKが支払う金額ではない

Number Webの記事の執筆者はブラジル在住のライターということですから、直接取材せず日本のメディアの記事をそのまま流用してしまったのでしょう。


もちろん「当初の提示額」ですから高い金額になることは充分に考えられますし、実際に決着した金額はこれよりも大幅に低い水準であることが推定されますが、当ブログが以前検証したところでは、これは過大評価だと考えています。

カタール大会の放映権料350億円のうちABEMAが200億円を支払ったという記述がありますが、ABEMAの運営会社であるサイバーエージェントの決算発表を見る限り100億円を超えるとはまず考えられないのです。


他のメディアの報道では、総額200億円前後というものが多く、その1/3だとすれば70億円前後という見立てになります。もっとも、この1/3というのも出所不明なのですが、そこは交渉の世界なので当事者以外には知り得ないところです。

もちろん、当ブログも直接取材できる立場ではなく、他のメディアの情報を拾っているだけの存在です。それでも根拠の薄い数字がこのように独り歩きし、Numberに掲載され、そしてヤフートップにまで至ったことは個人的にがっかりしています。


また、NHKが実際に支払う金額においても、これらの記事に引きずられて100億円といった過剰な数字がネットに飛び交っています。もともとNHKに批判的な人物が飛びついたのでしょうが、批判するにしてもなるべく正確な情報をもとに行わなければ、それは説得力を持たず、単なる扇動と化してしまいます。


個人的に今回の問題でもっと突っ込んで頂きたいのは、以前よりも電通の影響力が薄れたのではないか、ということです。これについてはジャーナリストの方々に期待したいと思います。電通に関する記事はまた後日書くことにします。

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