米Pac-12カンファレンスが事実上の崩壊へ。

アメリカのカレッジスポーツにおける有力なカンファレンスのひとつである、Pacific 12カンファレンス(以下Pac-12)から加盟校が続々と離脱を表明し、事実上崩壊に追い込まれました。


時系列に並べると以下となります。これにより、Pac-12に残った加盟校はわずか4校となってしまったのです。


  • 2022年6月: 南カリフォルニア大・UCLA →Big Tenカンファレンスへの移籍を表明
  • 2023年7月27日: コロラド大 →Big 12カンファレンスへの移籍を表明
  • 2023年8月4日午後: オレゴン大・ワシントン大 →Big Tenカンファレンスへの移籍を表明
  • 同夜遅く: アリゾナ大・アリゾナ州立大・ユタ大 →Big 12カンファレンスへの移籍を表明

この背景にあるのがやはり放映権料の問題ということになります。Pac-12はFOXとESPNの2社と年間2.5億ドルの契約を結び、加盟校に分配していましたが、この契約は2023-24シーズンまでであり、その切れ目を狙って他のカンファレンスが攻勢を仕掛けてきたわけです。


南カリフォルニア大とUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)は、契約が切れる2024-25シーズンからの移籍を表明しました。移籍先となるBig TenカンファレンスはFOX・NBC・CBSの3社と年10億ドル規模の契約を新たに結んでおり、より多くの分配金を受け取れることになります。

この動きにより、Pac-12の契約更新は難航することとなりました。どうやらAppleと接触していたようです。1校につき年間2,300万ドルといった金額も報じられています。


しかし、MLSの放映権をグローバルで獲得したAppleが、いくら人気があるとは言えアメリカ国内にとどまるカレッジスポーツの権利獲得にどこまで本気だったのかはよく分かりません。そうこうしているうちに、この1週間で離脱の動きが続々と出てきたのです。

残る4校のうち、UCB(カリフォルニア大学バークレー校)・オレゴン州立大・ワシントン州立大の3校も他のカンファレンスに移籍する可能性を探っているとのこと。また、スタンフォード大学はどのカンファレンスにも属さない独立校になるとも言われているそうです。


以前の記事でも書きましたけど、金の切れ目が縁の切れ目。そして放映権の切れ目が縁の切れ目というわけです。少しでも高い金額のところに移るというのはある意味当然なのかもしれませんけど、以前は比較的平穏だったはずのカレッジスポーツががらっと変化してしまうというのは、正直言って恐ろしいです。

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