ディメンション・データのお仕事と今後

UCIワールドツアーのチームスポンサーであり、ツール・ド・フランスのテクニカルパートナーでもあるディメンション・データ社。南アフリカのIT企業であり、業態としてはいわゆるSIerが中心である。

そして、2010年には日本のNTTが買収し、傘下に収める。売上の多くをヨーロッバ・アジア地域から得ているディメンション・データは、NTTグループのグローバル戦略において欠かせない企業となっている。

ということで、近々NTTグループの再編成が行われるのではないか、という記事が入ってきた。読む限りでは持株会社の設立による経営統合であって、直ちにディメンション・データの名前が消えるということはなさそうだが…

さて、ツール・ド・フランスでも画面にさんざん映し出されたディメンション・データは果たしてどのようなソリューションを提供しているのか。まずは去年の記事を紹介。

そして今年。ゴールスプリントのリプレイ映像で、各選手の位置取りとスピードがわかりやすく表示されていたのを記憶している人も多いと思うけど、これもまたディメンション・データが収集したリアルタイムデータをもとに再現されている。

こちらは最近掲載された英語の記事。GPSの位置情報などさまざまなデータをリアルタイムに送信し、蓄積、そして分析する。それをあの山岳ステージで行うのだから、相当な技術が必要であることは説明するまでもない。

その技術を開発し、アピールするのにツール・ド・フランスという場所はうってつけ。そして、伝統的なスポーツにデータによる新たな視点をもたらすことで、レースの価値はますます上がっていくはずだ。

もうひとつ紹介されているのが、同じくASO主催のツール・ド・ヨークシャーでの事例。選手やバイクカメラのほか、警備員にも発信装置を取り付けることで、効率的な警備を行うためのデータ収集を行ったとのこと。200km以上のコースを警備するのに、どう人員を配置するのがよいのか。今年はニバリが観客と接触してリタイアするというひどい事故も起きた。この問題を解決するためにもデータを活用してほしい。そして、この技術は東京2020にもつながっていく。

さて、自転車チームのほうのディメンション・データなのだが、頼みのカヴェンディッシュが不調なこともあって成績低迷中。以前からワールドチーム降格の危機がささやかれてきたが、そろそろ崖っぷちか。また、フランスからはディレクトエネルジーが来季のライセンスを申請するという報道も出ており、完全にお尻に火がついた状態。

ともあれ、もしプロコンチネンタルチームに降格するようなことになっても、このチームはアフリカに根付き、アフリカの選手を育成するチームとして存続していくだろうし、ディメンション・データは引き続きサイクルロードレースに関わり続けることになるのでしょう。ツール・ド・フランスにアフリカ人がたくさん出場し、活躍する日を夢見て。

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