【やや違和感】NBAとAmazon、500億ドル~で交渉?

NBAの次期放映権(2025-26シーズン以降)について、Amazonと総額500億ドル以上の交渉をしている・・・という記事が話題になっているようです。


もともとの記事はSports Illustratedに掲載されているようですが、これは有料記事のため直接参照することができず、それを引用した他メディアの記事を参考にするしかありません。ただ、筆者としてはこの内容にいくつか気になる点があるので、それを記しておきます。


あらかじめ記しておくと、この話題はあくまでアメリカ国内の放映権について述べられているものであり、日本を含む海外の権利とは直接関係ありません。なので、日本におけるNBAの放映権がAmazonになるという話ではありませんので、あしからず。

まず、現在の権利者であるディズニー(ESPNおよびABC)と、WBD傘下のターナースポーツ(TNT)には優先交渉権があるため、定められた期限(2024年4月までとの報道あり)を過ぎないと正式に他社との交渉はできません。なので、Amazonとの交渉はあくまで下交渉であり、オフィシャルなものではありません。


ディズニーについては更新に前向きと伝えられる一方で、WBDについてはさほど積極的ではないと伝えられており、Amazonはその後釜として以前から参入が期待されています。なので、水面下ではすでにWBDとの話が切れているという線もありますし、それゆえこのような報道がなされていると考えることもできます。

先の記事では500~700億ドルという金額が出ていますが、これは複数年の総額です。またAmazon1社ではなく、複数社の合計であると考えられます。


現在ディズニーとターナースポーツが結んでいる契約は9年間で総額240億ドル程度(1年あたり26~27億ドル)と推定されています。次の契約も、おそらく10年前後の長期になるものと考えられます。もし10年ならば、1年あたり50~70億ドルということになります。


比較対象となるのがNFLであり、今年から結ばれた新契約は、6社合計で年間120億ドルに達する巨額なものです。NBAはそれに少しでも近づきたいと考えているわけですね。


なお、NFLはローカルも含めすべての権利をリーグで管理するのに対し、NBAはローカルの権利は各チームの管理となっているため、それも含めると若干差は縮まります。

NFLは4大ネットワークすべてとAmazon、そしてGoogle(YouTube TV)の計6社と契約しているので、NBAがそれに近づくには現在の2社では不足していると考えるならば、3社目の参入は充分考えられるところです。


今シーズンから新たに「NBAカップ」が始まるのはその伏線と考えてもよいでしょう。カップ戦を切り離して第3の会社に権利を売るというシナリオは充分考えられます。その場合、以前から名前があがっているNBCや、Appleあたりも候補として浮上するでしょう。

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