米女子サッカーNWSL、放映権料大幅増。

アメリカの女子サッカーリーグ・NWSLは、新たな放映権契約を発表。2024~27年の4年契約で、総額2.4億ドル(年6,000万ドル)。現在の権利者であるCBSのほか、ESPN、Amazon、Scrippsの計4社によって放送・配信されます。


現在の契約は年150万ドルで、映像制作費を差し引くと赤字でした。新たな契約では、放送局側が制作費を負担する契約になっているとのことで、それを加えると実質的な価値はさらに高くなります。

Scrippsは地上波局を多く保有しており、また独自のネットワーク「ion Television」を形成しています。規模としてはいわゆる4大ネットワークに及ばないものの、アメリカで1.2億世帯をカバーしているとのことです。


最近では、Bally Sportsの破綻処理に絡み、NHLのベガス・ゴールデンナイツ、アリゾナ・コヨーテズとローカルの放映権契約を結んでいます。


先日は「第5のネットワーク」とも形容されるThe CWが、WWE NXTの放映権を獲得したことをお伝えしましたが、それに次ぐ新興ネットワークによるスポーツ強化の動きと言えます。

NWSLは2013年に創設。その前にはWUSA、WPSというプロリーグがありましたが、いずれも休止に追い込まれています。世界最強レベルの実力を備えながらも、収益化には苦労してきました。スポンサー頼みの経営は脆弱で、観客収入と放映権収入の増加が欠かせません。


NWSLは、リーグと各クラブが一体の組織となっている「シングルエンティティ」の形で運営されています。詳細については以下の記事を一読いただければと思います。このシングルエンティティという言葉、日本ではハンドボールの新リーグが導入しようとして話題になりましたが、頓挫しています。


今回の新契約は、女子スポーツへの投資が進んでいる時流にうまく乗ったものと言えます。この流れが今後も拡大していくかはなんとも言えません。他のスポーツの放映権市場が高騰しきっており、他の投資先を求めただけなのであれば、ちょっと傾くと一気に引き上げられてしまうリスクもあります。ですから、その時に備えて地道に足元を固めることも大切です。

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