北朝鮮も高額要求か。日本戦・韓国戦の事例を探る。

シリア戦に続き、来年3月26日にはワールドカップ2次予選・北朝鮮戦(アウェー)が行われます。その前の21日にはホームの試合もあり、2連戦となります。なお、アウェーについては現在のところ中立地での開催になる可能性が高いそうです。


シリア側と放映権料の折り合いがつかず、放送が見送られたばかりではありますが、東スポによると北朝鮮側も放映権料を強気に設定しているのでは・・・とのこと。

東スポの記事は玉石混交なところがありますが、中国系の代理店などが動いているという情報には注目したほうがよいかもしれません。


中国系の代理店といえば、真っ先に思いつくのがWANDA Group傘下のinfront。次に、先日AFCとの契約を切られてしまったFMAの残党あたりが連想されますが、これらの代理店も北朝鮮とのパイプを持ってるかは未知数であり、聞いたこともない名前が出てくるかもしれません。


価格ですが、今度はゴールデンタイムでの開催が見込めるため、シリア戦よりは高くなるものとみられます。以前の記事では、JFAが開催するホームの試合は最高2億円に設定されているとされています(対戦相手のランクによって変わる)。


北朝鮮は国際試合から遠ざかっていた時期があり、ランクはあてになりません。そして、ランク以上にある意味とても注目される存在ですから、結構な水準まで上がることも考えられます。

前回、日本が北朝鮮とアウェーで対戦したのは、2011年11月15日のこと。放送はTBSとNHK BSでした。TBSはスタッフ8名を平壌に派遣し、北朝鮮側(朝鮮中央テレビ)が制作する国際映像と独自に撮影した映像で中継を行っています。


プロデューサーの名鏡康夫さん、アナウンサーの土井敏之さんに当時の出来事を取材した記事がありますので、よろしければご覧ください。スケジュールは事前にすべて決められ、監視役がいる中で大変な経験をしたようです。

2019年10月15日に行われた北朝鮮vs.韓国戦は、試合開始直前になって突如無観客試合に。韓国メディアの入国は許されず、当然中継もありませんでした。

北朝鮮側は放映権料として150万ドル(17.8億ウォン)を要求したと報じられています。その後、金額面では合意に達し、頭金も支払われていたという報道もありますが、結局放送は中止となっています。北朝鮮側が拒否したという話もあります。


映像は選手団の帰国時にDVDが渡されたそうですが、画質が悪く韓国側は放送を断念したとのことです。

北朝鮮は国連安保理による経済制裁を受けており、放映権料の支払いが抵触するのでは、という議論は当時の韓国でもあったようです。建前上、サッカー協会と政府は独立した存在であり、放映権料は民間どうしの取引です(実際そうなってるとは思いませんが)。また、サービスの対価は経済制裁の禁止対象ではありません。ただ、金融制裁によって送金は難しくなっているようです。


以下の記事によると、放映権の交渉において北朝鮮の代理として日本の放送局が出てきたという記述があります。具体的にどこかは分かりません。先にパイプを築いていたTBSはひとつの候補ですが、確定はできません。もちろん、そのバックには朝鮮総連など北朝鮮系の団体がいるのでしょうけど。

今度は代理店を通じた取引となり、同様のことは起こらないかと思いますが、その代理店がどうやって送金するのかは気になるところです。日本側としては、シリアと同様毅然とした姿勢で臨むことが必要です。もちろん、北朝鮮側の態度が急に変わって、韓国と同様に拒否される可能性だってあるわけです。

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