【シリア戦余波】何が言いたいのか意味不明なFRIDAY。

FRIDAYデジタルの出してくる記事には、いい加減なものが多いと感じています。昨年のワールドカップカタール大会における日本の放映権料を「ABEMAが200億円、総額350億円」と書いたのもFRIDAYでした。その後、サイバーエージェントの決算発表をみると、200億円は明らかに過大であることが分かります。


今年の女子ワールドカップでは、自ら報道した350億円を引用する形で、その1/3に相当する116億円をFIFAが日本側に提示してきたという記事を出していますが、これもまた過大でしょう。


さてここからが本題ですが、先日放送・配信がなかったワールドカップ2次予選・シリア戦に関する記事です。ここではシリア側の提示額を「推定2億円」と書いていますが、これもまた信憑性に乏しい数字と考えられます。

夕刊フジ(zakzak)は「1億円」という数字を出しています。その後、JFA・田嶋会長が「何億円も支払えない」という趣旨の発言をしたため、1億どころか複数億円であることを示唆していると考えることもできますが・・・まぁ、それだけではなんともです。あくまで提示額ですから、別にいくらでも構わないと言えばそれまでです。

サッカーW杯の場合、放映権は通常、各国の協会がもっている。今、日本が戦っているアジア2次予選も各協会がホームの場合、放映権を持ち、その価格は各協会が自由に決められる。ただアジアは他の5大陸と違って、最終予選に進出すると、アジアサッカー連盟(AFC)が「アジアサッカーの共存共栄」という理由を訴えて一括して所有。各協会に任されるはずの放映権料をなぜかAFCが決めている。放映権で儲けようという狙いが透けて見える。


ここは明らかに変なところで、今回の問題は放映権をホーム側の協会が管理していることから生じた問題であるにも関わらず、なぜかAFCが最終予選の放映権を一括管理していることを批判しています。どこに矛先を向けたいのかがよく分かりません。


欧州予選の放映権はUEFAの一括管理ですし、アフリカ予選も今回一括管理となりました。「他の5大陸とは違って」というのも誤りでしょう。一方で南米予選は各国協会の管理となっていますが、そのため日本で放映権を獲得したフジテレビは3か国のホームの試合のみ中継となっています。


一般的に、一括管理のほうが放映権料を高く売ることができますが、国によっては経済力に大きな格差がありますし、またサッカーの人気もまちまちです。見られないであろう試合までセット売りされても・・・という部分はあります。


今回の件はシリアと日本の経済格差によるところが大きいでしょう。競争相手がいるわけではなく、1対1の交渉ですからお互いに他の選択肢はありません。その結果、交渉が不成立に終わることも当然あるのです。

その田嶋会長は他の大陸にならう形で「最終予選の放映権料などは自国の協会が自由にできる権利を与えてほしい」と何度も AFCの会合で主張してきたが、「日本だけが儲けようとしている。それは違う」と返答され、田嶋会長の主張は突っぱねられ、並行線の状態が続いている。


これもちょっとよく分からない内容です。今回の事態を防ぐためには、2次予選からAFCの一括管理にすべきだという意見であれば筋が通りますが、田嶋会長は逆の方向に動こうとしていると書かれています。そもそも本当にそんなことを言ってるのかも不明ですが。


結局のところ、どうあるべきかという軸が存在せず、かつ事実関係にも誤りがあるので、意味が分からない記事になっているというのが率直な感想です。それでも数字の持つインパクトは大きく、今回の「2億円」という数字が独り歩きすることは想像に難くありませんので、その都度つぶしていくしかないでしょう。

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