【シリア戦余波】前回2015年と今回の比較

先ほどのFRIDAYデジタルに続いて、今度はFOOTBALL ZONEの記事をご紹介。こちらの記事では具体的な金額の話は出てきませんが、サッカー専門メディアなだけに現状把握はきちんとしていますし、以下のような提言も書かれています。


もっとも現実的なのはAFCが2次予選でも放映権を管理し、各国がきちんと自国の試合を放送できるようにすることだろう。あるいは2次予選では相互の国がきちんと放送できるようにAFCがリードすることが必要だ。日本サッカー協会(JFA)はこれまでもAFCに働きかけてきたようだが、今後はさらに話し合いを煮詰めなければならない。


これを読む限り、JFA、そして田嶋会長がAFCに対して働きかけてきたことは、FRIDAYに書かれているものとは明らかに異なるように思われます。交渉が難航している場合には、何かしらの仲裁の仕組みを整えるのが現実的な気がします。

この記事にはユニバーサル・アクセス権についても触れていますが、そもそもイギリスでもワールドカップ予選は対象ではないので、いささか論拠としては弱いと思います。


また、無料放送が義務付けられれば、放映権料が抑えられるという見解についても疑問です。必ずどこかが放送することが分かっていれば、売る側がさらに強気に出ることは充分に想定できるからです。先日の女子ワールドカップでも、イギリスを含む欧州主要国での交渉が難航したことが話題となりました。

それはともかく、今回のシリア戦の相場はいくらが適切だったのでしょうか。シリア側の代理店であるThe PRO Companyは「前回の試合よりも30~40%安い金額を提示した」というコメントを出しています。


前回の試合とは、2015年10月8日(木)に開催されたワールドカップ2次予選のことでしょう。オマーンで開催されたこの試合は、日本時間21時にキックオフ。放送はフジテレビで、視聴率は16.2%と記録されています。

まずは円安の問題が考えられます。為替レートは1ドル=125円程度であり、現在の150円とは20%ほどの差があります。


次はキックオフ時間の問題です。2015年は21時、今回は23時45分でした。平日の深夜となると視聴率はさほど期待できません。もっとも、当初はもっと遅い時間のキックオフが予定されており、直前になって繰り上げられた経緯があります。時すでに遅し、でした。

また、地上波の視聴率が全体的に低下していることも否めません。シリア戦の前に放送されたミャンマー戦は視聴率12.5%でした。ゴールデンタイムで10%をとるのも大変になっている中、12.5%というのは健闘の部類と言えますが、もうちょっと欲しかった気もします。もちろん最終予選になればさらに盛り上がるとは思いますが。


ということで、シリア戦の視聴率については2ケタはまず期待できず、7~8%程度が妥当な予想でしょうか。そうなると、2015年の半分程度となり、そこに円安の影響を加えると、30~40%のディスカウントでは到底つり合いがとれなかったと言えるでしょう。

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