DAZN、鈴鹿から現地実況を敢行。そして気になるタイムラグ。
本日14:10に決勝がスタートするF1日本GP。今年もフジテレビNEXTが放送、DAZNが配信を行う。
今年はDAZNが気合いを入れている。確か昨年は鈴鹿にDAZNのPRブースを設置したものの、コメンタリーは東京のスタジオから入れていたはず。しかし今年は現地に実況ブースを設置。さらに普段は解説をされている小倉茂徳さんがピットリポーターを務めるという豪華な布陣。各国のDAZNでF1を配信しているのは確か日本だけだったはずなので、これは相当優遇されていると考えてよい。
前回の記事で書いた通り、FOXスポーツが保有するF1の放映権は2022年まで。また、鈴鹿でのF1開催は今年になって3年間の契約延長が決まった。放映権の更新時期がいつなのかはわからないけど、少なくともあと3年間。できれば2022年までは配信が継続されることを願う。
さて、ここからはちょっと違う話。DAZNで現地からのコメンタリーを入れるケースは実は少ない。Jリーグにしても映像制作はJリーグ側が行っているため、現地コメンタリーでも音声の著作権はJリーグ側が持っていると思われる。
ローカルの民放局などでDAZNと同じ映像・音声が放送されることがあるが、その場合Jリーグ側から放映権を買えばよいのであって、音声だけDAZNから買っているとはちと想像しにくい。もちろん映像だけもらって独自のコメンタリーを入れることもできる。
あと、横浜スタジアムにはDAZNの実況ブースがあるらしいという噂も聞くけど、基本的には映像だけもらって東京のスタジオでコメンタリーを入れるか、もともとコメンタリー付きの映像をもらっているかのどちらか。DAZNのオリジナルコンテンツであるVリーグですら現地コメンタリーではないし、DAZN側もむしろこのほうがコスト面などのメリットがあると強調してるくらいだ。
DAZNで配信映像はまずロンドンの本部に集められる。日本のDAZNであれば、その映像を東京のスタジオに送り、コメンタリーの音声やテロップを入れてロンドンに戻す。そこからCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)に乗せて日本のユーザーに届ける。
つまり、国際映像であればロンドンで受信するので1往復半。日本国内で制作された映像であれば、最初に東京からロンドンに送信する処理が加わるので2往復となる。DAZNのタイムラグについてはずっと批判の対象になっているけど、その原因のひとつとしてこの仕組みがある。
さて、F1の映像は日本国内で制作されているけど扱いとしては国際映像。なので本来ならばロンドンで受信するはずだけど、今回は鈴鹿でコメンタリーを入れてるし、独自のカメラも入れているので、まず鈴鹿で国際映像を受信し、編集したうえで東京→ロンドンへと送っているはず。でないと映像と音声がずれてしまう。
ならばどうやって国際映像を受けているのか。どうやって東京に送っているのか。それはネット回線なのか、衛星回線なのか。などなど技術的な興味は尽きない。いつかそのあたりを解説した資料が見てみたいところです。
もうひとつの解決方法として、時計を正確に管理したうえで映像と音声を同期させる、という方法も考えられます。なんせF1は1/1000秒を争う競技ですから。なのに配信のタイムラグが数十秒あるっていうのはなんともかんとも。
タイムラグに関する話については以下の記事などもご参照ください。
ちなみに補足すると、デジタル放送では映像の圧縮・展開処理が入るのでその分タイムラグが発生するし、衛星回線を使うと衛星は上空36000kmの静止軌道にあるので、それを往復する分のタイムラグがある。なのでテレビでも若干のタイムラグがあるわけです。
ということで、もっともタイムラグがないのは…現地観戦を除けば、実はアナログラジオだったりします。ラジオばんざい!
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