さらばGCN+。実況・小俣さんJスポに登場。

12月19日に「GCN+」がサービス終了しました。GCN+がこれまで配信してきたサイクルロードレースなどは、WBDが提供するストリーミングサービスで引き続き配信されます。アメリカでは「Max」、ヨーロッパでは「discovery+」などです。


日本にはどちらも上陸しておらず、コンテンツが宙に浮いた形です。来年以降、GCN+が配信してきた(WBDが権利を持つ)レースがどうなるかは現時点では分かりません。

外資系はこのへんドライなのですが、サービスが突然終わるということは、そこで仕事をしていた人たちが職を奪われることでもあります。そんな中、GCN+で実況を担当していた小俣雄風太(ゆふた)さんが、12月26日にJ SPORTSで放送される「シクロクロスワールドカップ第10戦」の実況を務めることが発表されました。


小俣さんはDAZNから実況に参画しています。J SPORTSでの経験はなく、移籍組ではなくDAZNが発掘してきた人材と言えます。とくにシクロクロスへの造詣が深いことから今回の起用に至ったものと思われます。

GCN+の実況のエースと言えば「キノッピー」こと木下貴道さんです。木下さんもDAZNから参画しています。当時はJ SPORTSで実況を務める谷口廣明さんの事務所「Sports Zone」の所属。谷口さんからすれば、既存のアナウンサーは派遣できないけど、代わりに・・・といったところでしょうか。しかし、木下さんは結果的に大当たりだったと言えます。


現在はSports Zoneを離れてフリーとなり、プロ野球中継などにも携わっています。できればJ SPORTSでも起用してもらえるとよいのですが、レース数自体が大幅に増えない限りはなかなか難しいですね。JCLの来季も不透明ですし、せっかくスキルを持っている人が活躍できないというのは実に歯がゆいものがあります。

さて、小俣さんのWebサイト「Arenberg」では、ニュースレター(メールマガジン)を発行しており、最新号でGCN+について触れていました。そこで印象的だったのは、GCN+がクローズされるというニュースが、日本国内の自転車系メディアでもほとんど取り上げられていないという話でした。


薄々とは感じていたのですが、GCN+は他のメディアとはほぼ隔絶した状況にありました。メディアが他のメディアに広告を出すというのは別に珍しくないのですが、そういうことは行われてきませんでした。関係構築に失敗したとも言えますし、そもそもGCN+に関心がなかったとも言えます。もしくは、やりたかったけどノウハウやリソース不足でできなかったのかもしれません。

WBDが放映権を持つジロ・デ・イタリアなどがJ SPORTSでも放送されることが決まったたとき、当ブログでは「サブライセンスを出す代わりに、J SPORTS内でGCN+の宣伝が流れるのでは」という仮説を書いたのですが、実際にはそんなことは起こらなかったわけです。


どんな業界でもメディアとの距離性が縮まると、いわゆる「ムラ社会」的なものが形成され、閉鎖的なコミュニティになっていく性質があります。先のJプロツアーとJCLの話もそうなんですが、内向きな力が強いことの弊害が出ているのでは・・・とも思うのです。この閉塞感、どうやれば打破できるのでしょうか。

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