F1、beIN Sportsと10年契約。インドは2年。
昨年は日本におけるF1の放映権が開幕直前まで決まらないという事態になりましたが、今年も開幕直前になって決まった契約がいくつかあります。
カタールのbeIN Sportsは、MENA(中東・北アフリカ)とトルコの計25か国における放映権を獲得しました。2033年までの10年契約で、金額については総額5億ドルと推定されています。
beINは2018年までF1の放映権を保有していましたが、当時国交を断絶していたサウジアラビアがバックアップしていたとされる海賊放送局「beoutQ」の被害に遭い、契約を更新しませんでした。すると、2019年にはサウジのMBCが新たに5年契約を結んだのです。
カタールとサウジはその後和解し、国交も復活しました。しかし、F1に限らずスポーツ全般において両国は強力なライバル関係にあります。10年という長期の契約になったのも、簡単には手放したくないという意思表示でしょう。
昨年(2023年)から、カタール航空がF1のオフィシャルパートナーとなっています(5年契約)。その前はUAE(ドバイ)のエミレーツ航空でした。中東での激しい争いは続きます。
なお、F1の契約更新となると「F1 TV Pro」の取り扱いが気になるところですが、MENA諸国ではすでにF1 TV Proが解禁されているようです。日本でもいつかそうなるといいですね。
さて、インドではストリーミングサービスの「FanCode」が2年契約を結んだと発表しています。インドでは昨年放映権の契約が成立せず、F1 TV Proのみで視聴可能となっていました。
こうなった事情は日本と同様で、2016年にFOX Sportsが7年契約を結んだことに起因します。その後、FOXはディズニーに買収され、ディズニー傘下のStarで放送が継続されていましたが、2022年で契約が切れ、交渉がまとまらなかったのです。そのためF1 TV Proが解禁されることになりました。
FanCodeはストリーミングなので、F1 TV Proと真っ向から競合する関係となりますが、今年も引き続きF1 TV Proは提供されるようです。そのかわり、FanCodeはF1 TV Proよりも安価で提供することで差別化をはかります。ですから、放映権料もさほど高くはないのでしょう。
ちなみに、FOX Sportsが放映権を持っていた東南アジアの10か国については、昨年beIN Sportsが契約しています(2025年までの3年契約)。ですから、beIN Sportsは合わせて35か国で権利を保有していることになります。
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