マリノス先勝のACL決勝、第2戦は無料配信に。
昨日開催されたACL決勝・1stレグはホームの横浜・F・マリノスが先勝。これを受けて、現地時間5月25日(土)に開催される2ndレグが「DAZN Freemium」にて無料配信されることが発表されました。
2年前、ワールドカップ最終予選のアウェー・オーストラリア戦をめぐる攻防を思い出します。JFAの田嶋会長(当時)は、地上波での放送を求めてDAZNと交渉する意志を示しましたが、放送は実現しませんでした。
もっとも、この放映権はAFCの管轄であり、AFCとDAZNとの契約にJFAが介入できる余地はほとんどありません。また、DAZNも既存の顧客のことを考えると受け入れる理由がありません。代理店である電通を通じて、スポンサー資金が集まればまた話は違ったかもしれませんが・・・
今回の無料配信は、JFAの宮本会長、Jリーグの野々村チェアマン、そしてDAZNの笹本CEOによるトップ会談で決まったとプレスリリースで書かれています。実際には事前に根回しがあったものと考えられますが、こういう形のアピールは必要です。
野々村チェアマンは2022年3月、笹本CEOは今年2月、そして宮本会長は今年3月に就任しました。新しい顔が新しいことをやるというイメージが大切です。そして、「DAZN Freemium」についても、昨年12月にドイツで始まり、今年1月から日本にも導入された新しい取り組みです。
ACLの放映権はなかなか取り扱いが難しいです。基本的に出場クラブのサポーター以外はあまり視聴しませんし、彼らはすでにDAZNに加入しているわけですから、新規の会員獲得にはつながりにくいコンテンツです。
逆に言えば、第1戦の時点で観たい人はほとんど加入済みなわけですから、第2戦を無料配信にしてもさほど懐は痛まないとも言えます。第2戦はアウェーで、日本時間だと深夜25時のキックオフであることも理由のひとつでしょう。
昨年は浦和レッズが優勝しましたが、昨年は第1戦がアウェー、第2戦がホームでした。今年もこの順番だったら無料配信はなかったかもしれません。
では、テレビ中継はどうなんだという声があがりそうです。ACL決勝が無料でテレビ中継されたのは、2019年11月のアル・ヒラルvs.浦和レッズ戦(第1戦)が最後です(BS日テレで放送)。こちらもアウェーのため日本時間では深夜枠でした。ホームだと、2018年11月の鹿島アントラーズvs.ペルセポリス戦が最後です。こちらは15時キックオフと昼間の試合でした。
ACLの注目度は日本代表と比べればどうしても落ちますし、他クラブのサポーターが応援してくれるわけでもありません。今年のヴァンフォーレ甲府は「J2代表」的な立場で他クラブのサポーターを積極的に受け入れましたが、こちらは異例中の異例と言ってよいでしょう。
すべてのクラブのサポーターがマリノスを応援すべきだ、というのは傲慢な考えでしょう。しかし、テレビ中継となるとスポンサーが必要であり、基本的には出場クラブのスポンサーに頼らざるを得ないのが痛いところです。無料にすることで、普段あまりサッカーを観ない層を呼び込めればいいのですが・・・正直なところあまり期待はできません。
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