雨予報のインディ500、地元の中継なしか。

5月26日(現地時間)に開催予定のインディ500ですが、現地では雨の予報が出ており、延期の可能性が出ているとのこと。もし延期となれば1997年以来27年ぶりとなります。この時は月曜に15周走ったもののまた中断となり、火曜に続きを実施しています。


【追記 5/28】

レースは4時間遅れで開催されました。ブラックアウトについては解除されたとのことです。予定が遅れ、現地で観戦できなかった人への救済策だとしています。


超高速のバトルであるがゆえに少しでも路面が濡れていれば開催できないわけですが、もうひとつの心配事が。それは、雨予報のためにチケットの売れ行きが止まってしまったことです。途中までは昨年を1.5万枚上回るペースで推移し、完売する勢いだったそうですが。

もしチケットが売れ残れば、いわゆる「ローカル・ブラックアウト」が発動され、地元インディアナポリスでは生中継ができなくなります。というか、むしろ生中継がないのが当たり前で、近年では地元住民が生中継を視聴できたのは2016年(100回記念大会)と2020年(コロナ禍により無観客)だけだったそう。それをついに打ち破るかと期待されていたわけです。


テレビ中継によってチケットが売れなくなるため、会場の近くでは放送しないというのがローカル・ブラックアウトです。NFLなど他のプロスポーツでも同様のルールがありましたが、2014年にFCC(米連邦通信委員会)が推奨しないとの勧告を出し、いずれも撤廃されました。インディ500においては、年に1回のレースであること、近くに競合するイベントがないこと、そして40万人近くが集まる超大規模であることが理由で残されています。


なお、日本ではGAORAが生中継、NHKが録画中継を予定しています。昨年はU-NEXTとHuluで配信していた「GAORA Bros.」でもライブ配信がありましたが、4月にサービスを終了しています。楽天の「Rチャンネル」で提供されている「GAORA ZERO」でもライブ配信の予定はありません。

この裏ではもうひとつのバトルが。来年からのアメリカ国内における放映権契約について、現在権利を持つNBCとFOXが争いを繰り広げています。インディ500の開催期間中にも発表されるのではと言われてきましたが、両社が拮抗しているとのことで発表は延期されました。

アメリカン・モータースポーツの代表的な存在と言えるNASCARは、2025年から新たに4社と放映権契約を結びましたが、インディカーは引き続き1社独占で契約する方針とのこと。現在の放映権料は年間2,000万ドルと推定されており、競争が激化すれば増額が期待できますが、今シーズンの視聴率が低迷していることから大幅な増額は難しいとのこと。

5月5日に開催されたF1・マイアミGPは、ESPNに加えて地上波のABCでも放送され、310万人の視聴者を獲得。アメリカにおけるF1中継の新記録だったと発表されています。すでにアメリカでは年間3レースが開催されていますが、シカゴで4レース目を開催する計画も浮上しているとのこと。インディカーは国内外の競合に挟まれ、なかなか苦しい立場にあります。

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