【速報】リーグ・アン次期放映権はDAZNとbeINに。

EUROの決勝戦が行われた日曜の夜、もうひとつの戦いもようやく決着をみました。来シーズンからのリーグ・アンの放映権(フランス国内)は、DAZNとbeIN Sportsの2社が獲得することとなりました。


  • 契約期間: 2024-25~28-29シーズン(5年間)
  • 放映権料: 年間5億ユーロ (DAZN4億ユーロ、beIN1億ユーロ)
  • 試合数: DAZNが毎節8試合、beINが1試合
  • ※2部(リーグ・ドゥ)についてはbeINが年間3,000万ユーロで獲得

日曜の朝、beIN Sportsが追加のオファーを出したと報じられています。もうひとつの案として検討されていた、自らのチャンネル「100%リーグ・アンチャンネル」を立ち上げる案については、PSGかつbeINの会長であるナセル・アル・ケライフィ氏が反対の意思を示していましたが、これまでbeINはとくに動きがありませんでした。ここに来て強力な対案を提示した形です。


当初は17時30分から始まる予定だった理事会は、前倒しされて17時に開始。ケライフィ氏はDAZNからのオファーを拒否し続けた他のクラブ代表たちを非難し、一時は退席をちらつかせたとか。

DAZNとbeINのオファーに対し投票が行われ、20クラブのうち賛成15・反対3・棄権2という結果に。最終的には全会一致の形でオファーを受け入れることが決議されました。


形式としては全会一致でも、当然反対派の火種はくすぶり続けます。オリンピック・リヨンのオーナーであるアメリカ人投資家・John Textor氏は声明を発表。今回の決定を「レガシーモデル」であり、「未来ではなく過去に目を向ける」ものだと非難しています。Textor氏はアメリカで「fuboTV」を立ち上げ、株式上場に導いた実績もあり、否定的なのは当然とも言えるでしょう。

次の問題は、DAZNが料金をいくらに設定するかです。昨年8月、Canal+とパートナーシップを結びフランス市場に参入したDAZN。当初の料金は月額14.99ユーロでしたが、30~40ユーロの間で設定されるものと考えられています。beINが追加で参入したことにより、視聴者にとってはコストがさらに増えることになります。長期割引などの施策は不可欠です。


昨シーズンまでの権利者だったCanal+は、前回のサイクルで起こったさまざまな出来事に嫌気がさし、今回は参加しませんでした。しかし、Canal+を通じてDAZNと契約することが可能であり、さらにCanal+はbeIN Sportsのチャンネルも供給していることから、結果として視聴者にとってはもっとも有力な選択肢となります。

DAZNとの契約に否定的な意見が多かった理由として、DAZNの財政問題があげられます。ブンデスリーガの次期入札では、DAZNに銀行保証を求めたことがきっかけで、現在訴訟に発展している状態です。リーグ・アンも同様に保証を求めていくことになるでしょうか。

DAZNは2021年末、親会社であるAccess Industriesから総額43億ドルの支援を受け、いったん累積赤字をリセットしています。2022年は12.5億ドルの赤字。2023年の決算はまだ公表されていませんが、まだ黒字転換は果たしていないとされています。


なので、DAZNの累積赤字は10数億~20億ドル程度あり、親会社も含めると60億ドル近くに達することになります。2024年は黒字転換が至上命題となっており、その中での大型契約ですから、DAZNにとっても確実に回収できるプランであることが求められます。

DAZNとbeIN Sportsにはちょっとした因縁(?)があり、2023年の初め頃、DAZNがbeIN Sportsに対して買収してくれないかとオファーしていたなんて報道も。


DAZNは引き続き親会社からの増資を受けるとともに、外部から10億ドル規模の資金調達を計画していると報じられてます。その相手として、beINおよびPSGのバックにあるカタールの資金が浮上してくる可能性も考えられます。


ここのところDAZNはサウジとも接近ぎみで、サウジマネーが入る可能性も無きにしもあらずなのですが、もしそうなると大きな反発は必至です。

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