DAZN、セリエA 3試合が急遽キャンセルに。
今シーズンから新たな放映権サイクルに入ったセリエA。日本では引き続きDAZNが権利を獲得し、これまで全試合をライブ配信してきましたが、第5節については3試合が予定から消え、7試合の配信になったとのこと。
第5節の10試合は以下の通りです(時間は日本時間)。とくにローマ戦の配信がなくなったのは北川さんが悲しむと思います。
- 9月21日(土) 1:30 カリアリvs エンポリ ○
- 9月21日(土) 3:45 ヴェローナvs トリノ ○
9月21日(土) 22:00 ヴェネツィアvs ジェノア×- 9月22日(日) 1:00 ユヴェントスvs ナポリ ○
- 9月22日(日) 3:45 レッチェvs パルマ ○
- 9月22日(日) 19:30 フィオレンティーナvs ラツィオ ○
9月22日(日) 22:00 モンツァvs ボローニャ×9月23日(月) 1:00 ローマvs ウディネーゼ×- 9月23日(月) 3:45 インテルvs ミラン ○
- 9月24日(火) 3:45 アタランタvs コモ ○
理由ははっきりしません。まず疑うのはDAZN側の事情です。人員や機材繰りの関係で日本向けに送信ができなくなった、といったことは想定できます。その場合、日本というよりイギリス本社側の事情となるでしょう。本社の決定が日本に降りてくるのが遅いため、現場が混乱するというのはこれまでも度々あったことで、外資系の弱さと言えます。
ただ、視聴者からの問い合わせには放映権的な事情であると回答しているとの話も聞いており、そんな単純な話ではなさそうな気もします。もちろん、当初は全試合配信されていたものが、とくに予告もなく減るというのは決してよろしいことではなく、DAZNの広報のあり方については当ブログでもたびたび指摘していますが、当ブログ的にはもうちょっと違った視点から話をしたほうがよさそうです。
今シーズンからDAZNはセリエAを独占配信すると発表しています。昨シーズンまでは独占ではなく、これにはリーグ側もしくは代理店(infront)の意向があるとされていました。独占が認められたということは、どちらかに姿勢の変化がみられたことになります。イタリア国内での法律改正が絡んでいるという説もあるのですが、裏付けは取れていません。
「独占」配信するとは言っても、「全試合」配信すると言ったわけではありません。同様に独占しているリーグ・アンやポルトガルリーグなども全試合は配信されていません。これは契約内容によるもので、とくにEFLについてはそもそも国際映像が限られているため、全試合配信は最初から不可能だったりします。
なお、イタリア国内ではDAZNが全試合配信していますが(毎節7試合は独占)、日本とは関係ありません。たとえ国内で権利を持っていようが、日本向けは代理店を通じて取引する必要があり、代理店との契約条件に縛られることになります。
話は前回のサイクルの始まりである2021-22シーズンにさかのぼります。この時、セリエAの配信はDAZN単独でした(後にSPOTV NOWが参入)。そもそも独占できない契約になっていたようで、この時の発表には「独占」という表記がありません。
開幕節では当初全試合のライブ配信が予定されていましたが、直前で5試合に変更されています。日本だけでなく、他国でも全試合でないところが多かったようです。
代理店のinfrontは、各国と「毎節5試合以上」が放送されることを保証しているとプレスリリースで述べています。5試合は確実に放送されますが、裏を返せば全試合は確約していないとも読み取れてしまいます。
今シーズンからの新たな契約についても、日本向けの代理店は引き続きinfrontです。今回の件がなぜ生じたのかは正直なところ謎ですが、infrontとの間でなにか起こっているのでは・・・とつい疑ってしまうのは、こんなブログを何年もやっている人間の性です。
例えば全試合配信と発表しているアメリカのParamount+では、今回外された3試合についても配信があります。アメリカはinfrontが入っていないので事情が異なる可能性もありますが、少なくとも国際映像がないということは考えにくいです。
ひとつの仮説として、DAZNはもともと全試合配信できるほどの予算がなかった、と考えることもできます。ただ、そうだとしたら直前でキャンセルされるというのもよく分からない話です。とにもかくにも、こういう決定は視聴者の不信感を高めるだけですので、もうちょっとうまいやり方があるのでは・・・とはどうしても思ってしまいます。
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