ABEMA公式X、無料の町田戦で怒られる。
9月21日に開催されたJリーグ・町田vs.札幌戦。この試合を無料で配信していたABEMAの公式Xアカウントが行ったポストがお叱りを受け、後に削除するという出来事が発生しました。
町田はABEMAと同じくサイバーエージェントの傘下であり、ちょっと町田の肩を持ちすぎではないかという声があがったことが理由ですが、その点については後ほど検証します。
それとはもうひとつ、当ブログ的に面白い出来事がありました。いや、面白いと言っては失礼なんですが、当該のポストに付けられた「コミュニティノート」の中に、当ブログの記事がソースとして示されていたのですね。もっとも、これによってページビューがぐんと増えたりはしませんでしたが・・・
ソースとして示されたのは、ABEMAとDAZNが提携し「ABEMA de DAZN」を開始することを取り上げた記事でした。この記事に限りませんが、当ブログは基本的に他のメディアの報道をもとにして書いているものですが、いわゆる一次情報ではありません。なので、もっとコミュニティノートにふさわしいリンクを貼るべきだったように思います。
それはともかくとして、この試合も「ABEMA de DAZN」の提携によってABEMAで配信されていることを押さえておく必要があります。というのは、この試合に関して「ABEMAが放映権を持っている」と表現するのが適当か、という問題があるからです。
「ABEMA de DAZN」は基本的にDAZNが持っているコンテンツをABEMAでも配信するというもので、プラットフォームを貸し出しているという扱いになります。ですから、ABEMAがこの試合の放映権を持っているとは言えません。
ただし、ABEMAはこの試合を含めて「毎節10試合を無料配信」すると発表しています。10試合にはDAZNだけでなく、WOWOWやスカパーのコンテンツも含まれていますが、もし元のサービスのほうで有料配信されているものをABEMAで無料配信するのであれば、これはABEMAがサブライセンスを購入していると解釈すべきでしょう。このケースであれば、ABEMAが放映権を持っていると言えるわけです。
DAZNは今年から「DAZN Freemium」と称して、一部の試合を無料配信しています。今回の町田戦がその対象だったかを確認すると・・・対象に含まれていました。ですので、DAZNがもともと無料で配信しているものをABEMAでも無料で配信しただけ、と言えます。
たまたま今回は両方とも無料だったというわけですが、町田戦についてはDAZNが有料配信でABEMAが無料配信というケースも存在することは留意すべきでしょう。
クラブのオーナー企業が所属するリーグの放映権を持っているというケースは、例えばリーグ・アン(PSGとbeIN Sports)が該当します。Jリーグは試合の映像制作をリーグ自らが行っていますので、ABEMAが内容に介入する余地はほとんどないと考えられますが、メディアとの距離はよく考えるべきテーマです。かつては読売との確執もありましたしね。
"疑惑の判定"というフレーズが適切かどうか、という論点もあります。これは引用符で囲っていますので、言外に別の意味を含ませていると考えてよいでしょう。
引用符やカギカッコには、文字通り引用した箇所だったり、固有名詞やセリフであることを示す役割があります。また、単なる強調の意味で用いることもあります。それに加えて、これはマスメディア独特の用法なのかもしれませんが、「あえて」この表現を選んだということを意味する場合があります。
本来は適切な表現ではないのかもしれないけど、短くてわかりやすいので使いました・・・といった感じですね。"疑惑の判定"というのは、もちろんVARのチェックも入っているし、実際にはそうじゃないことは分かっているんだけど、Xでは物議を醸している出来事なのでそういう表現を使っちゃったということでしょう。これは「町田びいき」と言うよりも、PVを稼ぐための釣り要素が上回っているように感じられます。
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