アルビ決勝進出で新幹線増発 & ANA総研レポートの話
Jリーグ・YBCルヴァンカップは準決勝が終了し、決勝戦の組み合わせは名古屋vs.新潟となりました。決勝は国立競技場で行われますが、ともに新幹線で2時間弱という位置関係にあり、おおいに盛り上がりそうです。
中でも初の決勝進出となった新潟のサポーターの熱気はすごく、当日朝の新幹線はすでに満席。JR東日本は臨時列車の増発を決めましたが、これもすぐに満席になったとのこと。もちろん名古屋にも似たような状況はあるのでしょうが、東海道新幹線とは本数が全然違います。
今回は中立地での開催ですが、アウェーの試合を観戦し、ついでに観光を楽しむ「アウェイツーリズム」は以前から注目されているところ。ルヴァンカップは今年からJ1~J3全クラブ参加のトーナメントとなり、予選ラウンドの試合は原則として下位カテゴリーのクラブのホームで開催されました。とくに鳥取vs.浦和の試合は浦和サポーターが大挙して鳥取を訪問したことで話題となりました。
さて、話はちょっと変わりまして、SNSではANA総合研究所の研究員が出した「Jリーグは誰のものか」というレポートが話題となってました。内容的にはいいことも言ってるし、かと言ってちょっと食い足りないところもあるし・・・といったところですが、いまのJリーグが抱えている問題を知るうえではよいテキストだと思います。
ただ、それ以前の問題でこのレポートがANAのグループから出たこと自体が賛否を呼ぶ結果となってしまいました。言うまでもなくANAは合併によって消滅した横浜フリューゲルスのオーナーだった過去があり、サッカー好きな人からは「いまさらANAが何を言ってるのか」と批判され、逆にサッカーが嫌いな人からは「よく言った」と称賛される始末です。
ということで、当ブログ的にこの話題をどう取り扱ってよいのか分からなくなっておりました。もちろん当ブログはサッカーも野球も、そして他のスポーツもなるべく公平に取り扱おうとしています。過激な意見に左右されることはありません。
ちなみに、ANAは2023年にJFAとパートナー契約を結び、サッカー日本代表を応援しています。長年JALと契約していたため簡単には移動しなかったそうですが、これまでも水面下で幾度となく接触があったと報じられています。
ANA総合研究所は、航空産業を筆頭とする交通や、地域活性化に強みを持つシンクタンクであり、これらのレポートも交通や観光、そして地域創生といったテーマと紐づけて解釈するのがよいと気づきました。
レポートの著者は研究員の廣岡信也氏ですが、廣岡氏の専門は「エアラインビジネス全般」とのこと。また、サッカーだけでなくプロ野球に関するレポートも公開しており、スポーツ好きの一面も持っているようです。
なお、このレポートを「学術論文」だとして紹介している人もいるようですが、ANA総研のWebサイトでは学術雑誌などに投稿された「論文」とレポートは区別されています。ですので、内容は学術的にオーソライズされたものではなく、ある種研究員の趣味に近い範疇であることに留意が必要です。
廣岡研究員の「日本プロ野球 16 球団構想はこうすれば実現できる」というレポートでは、NPBが4球団を追加した場合にどこを本拠地とするのが適切なのかを周辺人口や交通網の観点から述べています。
基本的にNPBは大規模な都市圏でないと成立しないと指摘されており、裏を返せばJリーグはそれよりも小規模な都市圏でも成立し得るビジネスモデルです。試合数こそ少ないものの、さまざまな土地を訪れることができることからアウェイツーリズムとの相性がよいスポーツと言えます。
最近では、Bリーグが「プレミア」ライセンスの審査結果を発表したというニュースがありました。これはこれで別の機会に取り上げたいと思いますが、NPB・Jリーグ・Bリーグ、そして他のプロスポーツも含めて、地域の規模や特性に応じた誘致活動が求められますし、それぞれの身の丈にあったスタジアム・アリーナが求められています。そこに周辺の観光資源を加えていくことで、スポーツに限らず地域が競い合い、高め合っていく状態が「地域創生」には必要だというわけです。
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