ABEMA、単年黒字化まであと一歩に迫る。
ABEMAを運営するサイバーエージェントの2024年9月期決算が発表され、ABEMAを含むメディア事業の営業損益は19億円の赤字と発表されました。前年度からは95億円の増益となりましたが、黒字にはあと一歩及びませんでした。
四半期ベースでは第2・第3四半期で黒字化を達成。第4四半期についてはWINTICKETにおいて一時的な損失を計上したため赤字となりましたが、それがなければ黒字だったとしています。この損失はいつか計上する必要があったもので、いまのうちにと言ったところでしょうか。
今年ABEMAはEURO2024の無料配信を行いました。放映権料はおそらく第3四半期に計上されるものと思われます。金額は不明ですが数億円規模に達してもおかしくなく、それでも黒字だったのは素晴らしいことです。来年度はワールドカップのような大型投資案件がない限り、通年での黒字化が視野に入りました。
売上の内訳としては以前としてWINTICKETを主軸とした「周辺事業」が大きな割合を占めているわけですが、「広告」も着実に伸びています。その一方で「月額課金」「PPV」については伸びを欠いています。棒グラフの長さ的にはむしろ減少しているように見えます。
10月に新たに導入した「広告付きプラン」はその傾向をふまえたものと考えられます。広告収入の伸びによって、月額課金の減少をカバーするのが狙いです。
ABEMAのWAU(Weekly Active User)はこの1年で着実に伸びており、デジタル広告を本業とするサイバーエージェントとしてはきちんと広告を獲得することが今後の成長戦略の鍵となります。
さらに中長期的な観点では、質疑応答に書かれているのですが「スポーツベッティングの合法化」について触れています。もちろん法改正が必要な話なのですぐに実現するものではありませんが、WINTICKETで獲得した会員とシステムのベースはそのまま活用できるものです。今後獲得するスポーツのコンテンツについては、ベッティングとの相性も検討材料となっていくのでしょう。
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