DAZN、単年黒字化はぎりぎりの情勢か。

最近、DAZNのコーポレートサイトがリニューアルされました。なんか毎年のようにリニューアルされている気がするのですが、当ブログとしては過去のプレスリリースのURLが変更されて、リンク先が読めなくなってしまうというのが困るところです。単にリンクを貼るだけではなく、内容をきちんと確保しておく必要性を感じます。


それはともかく、新しくなったサイトに面白いことがさらっと書かれていました。「Overview」のページで、2023年の売上高が32億ドルであると公表しているのです。

また、同じページからダウンロードできる「Half Year Review 2024」によると、2024年前期において、過去12か月分の売上高が34億ドルであるとも書かれています。(LTM = Last Twelve Months)


その下にある「EBITDA margin growth」という項目も気になるところです。私も会計については詳しくありませんが、単純に言えばEBITDAというのは企業の利益をはかる指標であり、EBITDAを売上高で割った数字がEBITDAマージンです。


DAZNは、EBITDAマージンが前年から48%増加したと公表しています。数の大小はともかく、プラスとマイナスだけで判断するならば、今年も、そして前年もDAZNのEBITDAはプラスだったことになります。


もっとも、これは必ずしもDAZNが黒字であることを意味しません。EBITDAは「営業利益+減価償却費」なので、減価償却費をどの程度計上しているかによります。Eleven Sportsを買収した際の費用などは計上されているかと思いますが、それ以上は会計資料を詳しく読み込む必要があります。


それでも、このような数字を出せるようになったということ自体、巨額の赤字を垂れ流し続けていた時期からは脱却したと前向きに解釈してよいかと思います。

2022年のDAZNの決算資料によると、売上高は約22億ドルで、赤字は12.5億ドル(営業損失は10.6億ドル)となっています。2023年はそこから売上が10億ドル増えたことになります。Eleven Sportsの買収分もありますが、売上が増えた最大の要因は各国での値上げと言ってよいかと思います。


もし、2023年の支出が前年と同じだったと仮定すると、売上高の増加分で赤字を埋めることはできていませんので、単年での黒字転換を達成できたかは微妙なところがあります。実際は支出はもっと増えているはずですから、もうちょっと先なのかな・・・という気もします。

2023年の決算資料は、おそらく年内にも公表されるものと推定されますので、また公表されましたらじっくり読んでみたいと思います。正直、これだけ世界各国で値上げを行ってもなお黒字化できないのであれば、ビジネスの継続性が問われるところです。

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