トランプ効果? F1が新チーム参入を承認。

F1とGM(ゼネラル・モーターズ)は、2026年から「キャデラック」が新チームとして参戦することで合意したと発表しました。最初の2年間は既存のパワーユニットを購入し、2028年からは自社開発に切り替える予定としています。


F1は長らく10チーム・20台でのレースが続いていましたが、11番目のチームが参戦するのは2016年以来10年ぶりとなります。

2016年にリバティ・メディアによるF1買収が発表され、翌2017年に手続きが完了します。それ以後10チーム体制が続いてきたことになります。かつては自由にエントリーでき、最盛期には40台近くが参戦していたこともあるF1ですが、開発コストが年々高騰し、台数が徐々に減っていきました。


その一方で商業的には大きな発展を遂げ、各チームに多額の分配金を出せるようになっていきます。アメリカ資本のリバティ・メディアはF1をクローズドなものにしていきました。


アメリカのプロスポーツは昇降格がないことが特徴であり、チーム数を増やす場合は新たな本拠地と資本家を募集します。リーグ自体の規模が拡大することで、既存のチームにも従来以上の分配金が得られることになります。しかし、F1には本拠地という概念がないため、既存のチームによる互助会ができあがり、新規参入を阻んできました。


アメリカでのF1人気の高まりにともない、アメリカのアンドレッティがGMと組んで参戦を計画しますが、2億ドルのエントリーフィーを要求されます。他にもなんだかんだと理由をつけて、今年1月にエントリーが却下されています。

アンドレッティ側はF1が競争を阻害していると主張。アメリカの下院司法委員会はリバティメディアの調査に乗り出します。そして、今回の決定に至るのですが、次期大統領にトランプ氏が当選したことが大きな影響を及ぼしているとのこと。アンドレッティ家は熱心な共和党支持者であり、多くの政治献金を行ってきたとか。


最近になって、リバティメディアのマフェイCEOが辞任を発表。そして、アンドレッティもマイケル・アンドレッティ代表が退いており、父親のマリオ・アンドレッティ氏がキャデラックチームの取締役として名を連ねるのみとなっています。両者痛み分けという形で解決をはかったのでしょうか。


トランプ大統領の返り咲きによって、スポーツ界にどのような変化が生じるのか・・・というのはあまり考えてませんでしたが、こんなところで影響が出てくるのは驚きです。ただ、長年F1を観てきた1ファンとしては、ただただ面倒くさい話です。

さて、先日開催されたラスベガスGPなのですが、復活開催となった昨年よりも観客動員が芳しくなかったようで、チケットや周辺のホテルもかなり値下がりしていたとのことです。Netflixのドキュメンタリーによって高まったアメリカのF1人気も、そろそろ曲がり角に来ているのでしょうか。


ESPNの視聴者数は約90万人で、昨年の130万人から3割減となっています。ただ、地上波(ABC)でも放送された5月のマイアミGPは310万人で、アメリカのF1中継としては最高記録だったとのことで、時期と内容にも左右されます。

ESPNの放映権契約は2025年までであり、その先も気になるところ。ESPNは防衛こそ果たしましたが、大幅な値上げをのまざるを得ませんでした。次回も引き上げられることになるのか。カギを握るのは、前回も参入が噂されたNetflixということになるかと思います。


グローバル路線を歩んできたNetflixも、クリスマスに配信するNFLはアメリカ国内限定となっており、柔軟な姿勢に転じたようにも見えますが、まだF1のグローバルの権利をあきらめていないとなると、同様に2025年までとなっている日本にも影響が及ぶかもしれません。

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