テレ朝編成部長、スポーツは1社独占にこだわらず。
去る11月7日に開催されたイベント「テレビカンファレンス2024」において、「民放キー5局の編成戦略」というセッションが開催されました。5局の編成責任者が一堂に会したなかなか豪華な座談会だったようです。
このセッションを取り上げた記事がマイナビニュースに掲載されています。記事中では各セッションのアーカイブ配信を行うとの記載がありますが、残念ながらこのセッションについては配信がないとのことです。あしからず。
当ブログ的には、テレビ朝日・河野太一総合編成部長の以下の発言に注目しました。いわゆる「テレビ離れ」を食い止めるための対策として、このように述べています。
テレビの特性でもある生中継を重視していきたいと思っています。大型のスポーツコンテンツは、サッカーワールドカップの予選、WBC、バスケット、フィギュアスケートといった大型案件を、これまでは1社独占でやっていたんですけど、昨今は複数局で同じコンテンツを盛り上げていくことで、PR量も増えて、テレビの魅力をみんなで高めていきたいと思います。
「生中継を重視」というのは、ここ最近スポーツの放映権料が高騰してきた理由のひとつでもあります。生中継はCMを見てもらえるので価値があるということです。その一方でテレビ局はチャンネル数の制約があり、そこはABEMAとの連携によって強化していくのでしょう。
そして、もうひとつ重要なポイントが「1社独占から複数局」という流れです。全体の視聴率が低下している中で、1社だけで社会に大きなムーブメントを起こすことは難しくなっており、他社との連携が必要になっていきます。もちろん、1社だけでは放映権料を賄いきれないという意味合いも大きいかと思われます。
ジャパンコンソーシアムで放映権を購入しているオリンピックはその最たる例ですが、テレビ朝日が最近関わったスポーツ中継では、FIFAワールドカップ(NHK・フジ・ABEMA)、WBC(TBS)、プレミア12(TBS)、FIBAワールドカップ(日本テレビ)といったコンテンツが他社との共同になっています。DAZNからサブライセンスを購入する形となったAFCアジア予選を含めてもよいでしょう。
テレ朝はここ数年、とくに海外のスポーツについては中継が減る傾向にあります。今後は他社と共同で放映権を獲得する例も増えてくるものと考えられます。
そうなると、直近で話題となっているのは世界水泳ということになるかと思います。来年(2025年)のシンガポール大会を最後に撤退するのでは、という報道が出ています。
社長定例会見でも世界水泳に関する質問が出ており、シンガポール大会以降については「まだ決まっていない」と回答しています。
※世界水泳から撤退するとの報道があったが、今後の放送について。
篠塚社長:来年のシンガポール大会は当社で放送する。
※再来年以降も放送を続けていく予定か。
篠塚社長:先の話はまだ決まっていない。
当ブログの見解は以前に書きましたが、そもそも2027年以降の代理店が決まっていない可能性が高く、本当に「まだ決まっていない」のではないかと予想しています。まずは次の代理店がどこになるかが決まったうえで、具体的な交渉が始まります。その中で、テレ朝と他社を加えた連合が組まれる可能性ももちろんあるわけです。
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